2018年08月28日

真備町の被災者に聞く 「あの日」から1ヵ月


形あるものは壊れるけれど... 助けられて再確認するものもある。

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写真:今村俊介さんと由美子さんと猫のくろちゃん

(Q)被災された時の様子は
 自宅近くには、海に流れ込む大きな高梁川と支流の小田川があります。私たちも含めて、もし洪水が起きるならば高梁川だろうと皆さん思っていたと思いますが、今回決壊したのは小田川の方です。あの日(7月 6日)は朝から雨が降っていて、22 時に避難勧告が出ました。実は「勧告」の意味を分かっていなくて、勧告が出てから2階に荷物を運び、すぐに帰ってくるつもりで猫用に2〜3日分の餌と水を用意して、とりあえず夫の車で家を出て、近くの小学校に向かいましたが、道が混んでずっと渋滞していたためコンビニの駐車場に止めて時間を過ごしていました。夜中0時前に今度は『 避難指示 』がでて、臨時避難所の体育館へ行きましたが、すでに避難者でいっぱいになっていたので、仕方なく車中泊しました。
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写真:被災直後の様子(撮影:今村さん)

(Q)ご自宅はどのような様子でしたか
 7月8日(日)に、通常30分位のところを4時間かかって自宅に戻りました。高台から自宅方面を見た時に、手前の住宅は水没してしまっていたので、自宅もダメかと思いましたが、遠くに、自宅らしい建物が見えて、二階は大丈夫かもしれないという具合でした。翌日、ある程度まで水が引いたので自宅に行くことができたのですが、水は一階の天井まできていて家の中の全てのものがぐちゃぐちゃになっていました。ピアノも逆さまにひっくり返っていました。

過去の震災支援を生かして
(Q)岡キ災(岡山キリスト災害支援室)にはどのような事を助けられましたか
 最初は、親戚や友人、会社の同僚が手伝いに来て、35度を超える猛暑の中、水没した物を運び出してくれて本当に助かりました。運び出すのも大変なのですが、水没した家財を指定された場所に出すのに長蛇の列で2時間もかかりました。家の中の物を運び出してから、次はどうすればよいのか分からなくて、近くの工務店さんに聞きに行きました。外側は綺麗に見えても壁や天井の内側に入れてある断熱材が水を含んでいるから、それを取り除かなければならないと教えてもらい、自分たちで床剥がしをやり始めたのですが、なかなか思うようには作業が進まず岡キ災にボランティアの要請をお願いしました。21日(土)ハンガーゼロの方々が東北や神戸の震災のノウハウを生かして作業をしてくださいました。ちょうど電気が 復旧した日に来てくれて、早速高圧洗浄をかけてくれました。(2週間停電していました)
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(Q)今後はどうされますか
 真備にはクリスチャンは何人かおられますが、教会がありません。何が神様の望まれていることか分からないですが、9月から仮設住宅に入居することになりました。仮設住宅に住みながら、並行して家を直し、自宅を開放して、地域の皆さんと震災前以上の繋がりができればと考えています。

あの人たちは本物だぁ
(Q)被災体験を通じて思われたことは
 あまりにも物をたくさん持ちすぎていたということに気づきました。また地域の中で人と人との関係性が大事だなと思いましたね。それから、形あるものは壊れるし無くなるけれど、目に見えないもの、神様がおられて信仰が与えられている幸いを再確認しました。みなさんが色々と心配をしてくださいますが、 当の本人たちはそこまで深刻じゃないんです。なぜなら、そこに全てがあるわけではないから。ただやっぱり助けて頂いたのは本当に有難いです。親戚、友人、同僚と本当にたくさんの方が手伝いに来てくれました。その中で、前職場の方が、岡キ災のボランティアの人たちに会って「いやぁ〜すっげぇなぁ〜。あの人たちは本物だぁ。俺も入信しようかなぁ〜」とも言ってました。夫は少し障がいをもっているので色 々な面で大変でしたが、多くの人に助けられて、その背後には神様がいて下さって目に見えないところでも一人一人を見てくださっています。だから希望はあると信じています。


皆様からの緊急募金は広島と岡山での支援活動に使わせていただいています。ありがとうございます


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