2014年11月10日
【コンゴ】ハンガーゼロ実現への課題(ジェローム・インタビュー)
2014年の世界食料デー大会で現地報告者として帰国した、コンゴ民主共和国駐在(西・中央アフリカ担当)ジェローム・カセバにこれまでの活動やハンガーゼロ実現への課題を聞きました。
Q.質問:
2013年7月にコンゴのルブンバシで3日間にわたり行われたVOCセミナー(地域リーダー育成)では、教会や地域のリーダーが約50名集まって学ばれましたが、その後どのような意見や提案が出てきているのですか
A.ジェローム:
参加者はセミナーを通じて、飢餓・貧困に立ち向かうために「自分たちにも可能性があり、将来地域を変えていくことができる」という意識を持つ重要性に気づくことができました。それ以来、月に一度の集まりが続いています。そこではいろいろな情報交換とともに、地域でビジョンを共有することの意義を話し合っています。
その後のリーダー間の交流を通じてよく聞かれるようになってきたのは、「農業をもっとよくしていきたい」、「農業学校を作って新しいことを学びたい」というもので、モリンガ栽培 ※ を始めたいと具体的な声もあります。また、インターネットのインフラ整備が進んできているので、青年たちがパソコンを学んで使える環境ができれば、様々な知識を得るとともに職業選択の機会も増えるので、指導できる人が欲しいという声も出てきています。
Q:セミナー参加者はどんなことを始めましたか?
A:セミナーが開かれる半年前、国境近くのプエトという町が反政府軍に襲われた時、公務員だったパメラさんが35家族(約70人)を引き連れて、450㎞離れたルブンバシにたどり着きました。そのため私たちや地元の教会が食料や生活必需品を提供しました。そうしたこともあってパメラさんもセミナーに参加してくれました。彼はこの中で「私たちは国内避難民だけど、それぞれに能力が与えられている。それを用いていくなら、私たちは必ず自立していける」と励まされたそうです。パメラさんは30人位の人と故郷プエト近郊(元の居住区は未だ危険がある)に戻り、自立のための農業を始めています。
Q:コンゴで飢餓問題を解決していくために重要なことは
A:とにかく紛争がなくなることです。平和が実現しないことには、安心して定住できないし、農業をすることができません。とくに反政府軍の兵士によってレイプされた女性たちの問題は深刻です。そのような被害を受けた女性たちは、夫から捨てられたり、村人からも差別を受けたりしています。コミュニティーにおいて女性たちが傷つけられ、尊厳が失われていくことは、コミュニティーの崩壊に結びつきます。それが反政府軍の真の狙いでもあるのです。
Q:アフリカでハンガーゼロを実現していくためには何が重要だと考えますか
A:アフリカはこれまでも外国からの支援を受け続けてきました。それは必要なことではありましたが、その支援にはゴールが明確ではありませんでしたので、結局は支援を受け続けるばかりでした。
しかし、VOCの取り組みから生まれるアプローチは、小さな取り組みであったとしも、地域の人々自身によるものなので、持続性とともに、その過程で人々のさらなる成長が期待できます。わたしから始めるなら、アフリカも必ず変わる、ハンガーゼロが実現していくと信じています。
【写真:モリンガ】
※別名「奇跡の木」もしくは「生命の木」と呼ばれる熱帯・亜熱帯地方に主に自生する樹木。成長が速く、モリンガの葉や茎、実など部位を余すことなく利用でき、また栄養豊富な食品(お茶等)としても近年注目を集めている。JIFHも昨年ザンビアにおけるプロジェクトを支援しました。
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