2014年08月06日

【東北】真イワシ用の魚網を支援(宮城県亘理町漁師支援)


 2011年3月11日以降、当機構は仙台を拠点とし、岩手、宮城、福島で支援活動を続けてきました。宮城では、気仙沼から山元町まで、津波被害を受けた地域を北から南まで回りましたが、その中で集中的にお手伝いをさせていただいたのが、亘理町荒浜地区です。

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【写真:網を受け取られた森重漁業の森敏行社長と森光司さん】


最初の出会い...

 2011年6月に当機構が緊急支援で派遣していた大工の筒井さんらが、亘理荒浜港付近で瓦礫の中から魚網を取り出している漁師の森敏行さんたちと出会いました。森さんたちは殆ど手作業で住宅の残骸や電信柱に絡まった網を取り除こうとして苦戦しておられました。そこで筒井さんが車に積んであったチェンソーなどを使い、一緒にいたボランティアさんと急遽この作業を手伝いました。

 その時、森さんたちは津波で港の近くにあった事務所も自宅も流出、所有していた3隻の漁船も船体が大きく破損したり、エンジンも駄目になったことや、「せめて高価な網だけは何とか回収したいんだ」との切実な思いを打ち明けてくださいました。

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【写真左:津波によりすべての漁船に大きな損傷/写真右:完全に流出した自宅】

 この出会いをきっかけに、東北事務所では数ヵ月間ボランティアの方々を森さんの元に派遣しました。皆さんの協力のお蔭で、2011年秋には、鮭漁を再開することができました。大変なご苦労を乗り越えて、大漁の鮭を手にした森さんたちの笑顔が忘れられません。その後も本格的な漁業再開に向けて努力をされていた森さんたちですが、津波による損害は大きく、以前の水準に戻るまでには、どうしても経済的支援が必要でした。

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【写真:流された網のゴミ取りをするJIFHボランティア】

 JIFHが津波被害を受けた漁師を支援していることを知った、海外協力パートナーである韓国国際飢餓対策機構(KFHI)と飢餓対策機構カナダ(CFHI)、カナダのアライアンス教会(ALLIANCE CHURCHES IN CANADA)、国内からは、東大阪中央ロータリーの4団体が支援協力を申し出てくださり、森さんが必要としていた「真イワシ」用の漁網が、7月11日に贈呈されました。Pragmatic Play Indonesia

 森さんは「震災後、多くの方が私たちを支援し続けてくださったことで、漁に出られていることを感謝しています。これからも頑張っていきます」とお話しくださいました。ここにも一人、立ち上がり始めた方々がおられます。たとえ復興の速度はゆるやかでも一歩の歩みが、東北を元気にしていきます。

(東北事務所 伊東・加藤)

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