2014年08月20日
見捨てられた一家の死、エボラの悲劇(AFP現地レポート)
【8月13日 AFP】見捨てられたリベリアの村で唯一響き渡っていたのは、母親の遺体と共に自宅に閉じ込められ、飢えと渇きに耐えながら死を待つ少女の叫び声だった。
やがてこの少女、ファトゥ・シェリフ(Fatu Sherrif)さん(12)もまた、同国を含む西アフリカ諸国で1000人以上の犠牲者を出しているエボラウイルスに命を奪われ、その声を止めた。
AFP記者は10日、ファトゥさん一家が暮らしていたバラジャ(Ballajah)村を訪れた。すでに大半の住民がエボラ出血熱を恐れて森に逃げた後で、ファトゥさんは母親の遺体と共に1週間にわたり自宅に閉じ込められていた。村のあちこちに住民たちの持ち物が散らばり、慌てて逃げたのか、ドアが開いたままになっている家もあった。
村にとどまったごく少数の住民のうちの一人、地元指導者の70代の男性が、ファトゥさんの身に起きた恐ろしい出来事を記者に語った。
リベリアの首都モンロビア(Monrovia)から約150キロ離れたバラジャ村は、同国でエボラ出血熱の拡大を防ぐために設定された隔離地域のうちの一つの中心部に位置している。
地元指導者によると、ファトゥさん一家で最初にエボラ感染が確認されたのは先月20日、父親(51)が病に倒れた時だった。村の500人ほどの住民たちは診断結果を知ってパニックになった。通報を受けた保健当局が派遣したチームが到着した時には、父親は死後5日が経過していた。
■助けを乞い続けた少女
ファトゥさんと母親(43)は既にエボラを発症していたが、兄のバーニー(Barnie Sherrif)さん(15)だけは陰性の検査結果が出ていた。
地元指導者によると、父親の遺体を収容した保健当局は、村人たちにファトゥさんとその母親には近づかないよう警告。「2人は朝から晩まで隣人に食べ物を求める叫び声を上げていたが、皆が怖がっていた」という。
母親は今月10日に死亡したが、ファトゥさんの叫び声は聞こえ続けた。一家の自宅のドアや窓はふさがれ、中の様子をうかがい知ることはできなかった。
12日に再びAFPの取材に応じた地元指導者は、ファトゥさんが前夜に水も食料もないまま孤独な死を迎えたと語った。
AFP記者は10日、見捨てられた家屋の一軒にいた兄のバーニーさんを発見。やつれて、汚れたTシャツとすり切れたサンダルを身に着けたバーニーさんは、涙ながらにこう語った。
「誰も僕に近づこうとしない。僕がエボラに感染していないことを知っているのに。お腹がすいたら外で草を探す。それが神のおっしゃることだから、受け入れている」
地元指導者によると、一家を見捨てて村を去った住民らは、エボラ拡大を懸念する近隣の町の住民から嫌がられているという。
リベリアの保健当局は、この村で起きた出来事についてコメントを拒否した。(c)AFP/Zoom DOSSO
<記事URL:http://www.afpbb.com/articles/-/3022958>
(お知らせ・ウガンダワークキャンプ実施について)
当機構は、西アフリカから遠く離れた東アフリカのウガンダにおいてワークキャンプ(8月18〜30日)を実施中、キャンプ参加者がナムトゥンバ地区カサーレ小学校での学校建設を応援しています。キャンプ実施にあたっては、ウガンダにおいて2012年以降エボラ出血熱が発生していないこと、ウガンダ政府も2012年のエボラ発生時に感染を短期間で終息させた緊急対応ができる体制を整えていること、またキャンプ受け入れ団体のFHウガンダは、国の保健省から出される最新の情報を注視して、キャンパーの安全対策を図っていること、等の安全状況を慎重に確認し、予定通り行うことにしました。
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