2013年11月22日

国際飢餓対策機構フィリピンから支援レポート(西サマール)



 当機構の現地パートナーである国際飢餓対策機構フィリピン(以下FHフィリピン)から、西サマールでの救援活動のレポートが届きました。

FHフィリピンは、台風30号で最も大きな被害を受けた西サマール県で緊急支援活動を行っています。FHフィリピンのチームは1台風通過直後の11月12日にサマールに入り、被災状況の確認とともに直ちに緊急支援を開始しました。被害状況の確認は広範囲に及ぶため、他支援団体のNorthem Samar Chlidren's Ministry Networkとの協力で行いました。

 悪天候のため被災地域へのアクセスは困難を極めました。しかし、調査チームはバサイとマラブット地域にたどり着くことができました。バサイ地域にはバランガイ(地域、区、村など)が51あり、13,000世帯が被災したと推定されていますが、この数字は半数以下のバランガイからの情報であるため、さらに被災世帯数は増大するものとみられています。バサイは学校や保健センターなどの主要な公共施設の機能が失われ、農業にも深刻なダメージを受けています。家を失った人々の多くは古い教会や被害を免れた建物の中に作られた簡易避難所で入り、900以上の家族が狭い場所で身を寄せ合っています。

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Basey Municipal Health Office.JPG

 マラブット地域にはバランガイが24あり、7,300世帯が被災しました。この地域では飲料水を確保できないために、下痢の症例が非常に多く出ています。住居にとどまらず重要な公共施設の保健センター、学校などがほぼ破壊されていました。この地区の行政が被災直後に食糧といくつかの支援物資を配布しましたが、その数量が少ないために食糧などは早くもなくなりかけていました。そのため、住民はココナツの実に塩を混ぜて空腹をしのいでいます。バサイ市長ら地域のリーダーは食糧のほか毛布、マット、衛生用品、台所用品、衣料、飲料水、医薬品を求めています。また避難所と子どもが待機できる場所の確保も重要な課題となっています。

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Basey admin office.JPG

 当機構はFHフィリピンとの協力体制をさらに円滑に進めるために、新たに米国人スタッフのジェニファー・ヒルを11月26日にフィリピンに派遣します。フィリピンでは現在、酒井駐在員(慶子夫人)と吉田、稲本が緊急支援に加わっています。FHフィリピンには、当機構が空輸の準備を進めている救援物資(パンの缶詰め、水フィルターセットなど)なども提供して、この西サマールでの支援活動をバックアップしていきます。


 


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