2013年04月15日
【カンボジア】カンボジアの里子を訪ねて
このほど当機構の特命大使に就任した近藤高史氏(ノア・デジタル代表取締役)が、2月に活動地のカンボジアとバングラデシュを訪問しました。今回はカンボジア訪問の報告を掲載させていただきます。
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突然の悲しい知らせに絶句
それはカンボジア国際飢餓対策機構スタッフからの一通のメールで知らされました。カンボジア北部、タイ国境に近いアンロンベン郊外の村へ、キムホンちゃんという10歳の里子の女の子を訪ねた、わずか3日後のことでした。
「オートバイの事故で崖から転落し、先日訪問したキムホンちゃんのお母さんは亡くなりました。お父さんも瀕死の重傷です。お祈り下さい」という短い内容に、私たちは言葉を失いました。「この間、会ったばかりなのに!まだ20代であんなに元気なお母さんだったのに!里子たち3人の姉妹は、これからどうやって生きていくの...?」いろいろな思いが頭の中をぐるぐると駆け巡りました。
キムホンちゃんは日本のある幼稚園が里親となって支援を続け、これまで文通など交流を持ってきました。私たちが訪問した時も、これまでに届いたたくさんの手紙や絵、折り紙など大切にしまってあったものを、宝物でも見せるかのように机に広げて、一つ一つ説明してくれました。そこには幼稚園の園児や先生たちが書いた「クリスマスおめでとう!」とか、「いつも祈ってます!」といった日本語に、必ず英語とクメール語に訳した言葉がついていて、それを読み上げているうれしそうな様子を何枚も写真やビデオに納めながら、これを里親である日本の幼稚園の子たちに見せたら、どんなに喜ぶだろうと思いました。
しかしそのわずか3日後に、悲しいニュースは飛び込んできたのです。どうやってこの知らせを、幼稚園の子たちに伝えたらよいのでしょう。私たちはもうアンロンベンの町を離れた後でしたから、戻ることもできず、うつろな心のまま残された家族のために、祈るしかありませんでした。
豊かな親子関係
実際に現地を訪ねて分かったのですが、決して物質的には豊かではないかもしれませんが、たくさんの家族や親族といつも一緒に生活している里子たちの様子は、むしろ、日本の親子関係以上に、豊かで楽しそうにすら思えました。
きっと村のみんなが彼女を支えてくれるでしょう。でも今は事故によってお母さんを失い、どれほどの悲しみを幼い心で味わっていることでしょうか。
「神様、どうしてこのようなことがあるのですか。キムホンちゃんを守って下さい。私は何をしたらよいのでしょう。」私なりに祈る中で示されたのは、これはカンボジアだけじゃない、世界の里子たちを取り巻く現実だよ。少しずつ生活が便利になっていく中で、このような事が子どもたちの周りでいつ起きるかわからない。だからこそ祈りをもって支援を続けていくこと、またこうした子どもたちの様子を伝えてゆくことが大切なんだということでした。
キムホンちゃんたち姉妹を残し亡くなったお母さんの気持ちを思い、私も里親の一人にならせて頂く決心をしました。
【お母さんと日本の幼稚園から届いた手紙を見るキムホンちゃん(後方はお父さん)】
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