2012年06月01日
【動画】南スーダン訪問/ルンベック・マブイ学校で見た現実
当機構は、ハンガーゼロ・アフリカの活動として、南スーダン・ルンベック・マブイ学校で給食支援をしています。
2012年5月に同地を訪れたスタッフが現地の様子を報告します。
世界で一番新しい国家、南スーダンは昨年樹立されたばかりの国ですが、北のスーダンとの抗争は50年以上続いています。2度の大きな内戦を経て自立した国家づくりの道を歩み始めましたが、石油の利権をめぐり私たちが訪問していた間も空爆がありました。
首都のジュバは南スーダンでも南の方に位置します。首都と言っても全てが全く一から作られています。道路も舗装されているところは限られており、穴だらけ。政府機関の建物も仮宿状態。もともと小さな町が一国の首都となってしまったために、インフラ(社会基盤)整備は遅れに遅れています。現在郊外で日本の自衛隊が国連PKOとして道路作りをしています。
ジュバから400kmほど北西に位置するのがルンベックという町。私たちはそこまでWFP(国連世界食糧計画)のセスナ機に乗って移動しました。夕方なのに乾いた暑い風がまとわりつきます。空港から10分も行くとJIFHが支援するマブイ学校があります。ここはLIA(ライフ・イン・アバンダンス)南スーダンが支援する学校です。学校だけではなく、隣にはクリニックもあり、地域の人々のためにほぼ無償の診察が行われています。
【写真左:マブイ学校の校舎/写真右:学校の生徒たち(朝の行進の様子)】
学校には現在1年生から4年生まで300人が学んでいます。朝、子どもたちが学校に到着するとすぐに整列し歌を歌いながら行進をします。その後、子どもたちはそれぞれのクラスに分かれ勉強が始まりますが、1年生が当初予想していたよりもたくさんの子どもたちが集まっているので、教室が足らず、1クラスは木の下の授業です。教科書はなく、先生が黒板に書く文字を一生懸命にノートと呼べない紙に書き写しています。子どもたちの目がきらきらと輝いていました。
このマブイ学校はケニア人の宣教師が数年前に始めました。離れたところに公立学校がありますが、学校に行っていない子どもたちが多く、このような子どもたちに教育の機会をと創立されました。初めは校舎もなく、すべて青空教室でした。そこにLIAの支援が始まり、現在は校舎も建てられました。そのJIFHがLIAに協力、ハンガーゼロアフリカの取り組みとして給食支援を始めました。給食は学校教育にとって欠かせません。もし給食がなければ、午後の授業はできなくなり勉学が進みません。多くの低学年の子どもにとってこの給食が1日のうちで唯一の食事になっているのです。
この日の給食はソルガム(モロコシ)の粉で作ったおかゆと、豆のスープ。お母さんたちが朝から準備して作られたものです。
子どもたちは楽しんで食べるというより、生きるために一生懸命食べているという感じでした。
私たちのために用意して下さった食事も本当に質素なものでした。この地域も食料の確保に非常に厳しいという印象を持ちました。
「この国は50年以上北のスーダンと戦争をしています。戦争の中で生まれ、戦争の中で生き、戦争の中で死んでいく、
本当の平和を知らずに・・・そのようなスーダン人がほとんどです」
私たちがルンベックを離れる日の朝、聖書とお祈りの時間に、学校で働くスタッフが語ってくれた言葉です。そして「日本の人々に南スーダンの厳しさを知ってほしい。そして子どもたちが『平和』を味わうことができるように日本の皆さんの手を貸してほしい」と結んでいました。
ハンガーゼロの取り組みはまだまだ険しく厳しいものですが、一人でも多くの日本の皆さんにハンガーゼロの輪に加わっていただき、飢餓をゼロにするためにご協力をお願いします。
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