2011年04月21日

支援物資配布を通して見えてくる被災地の「今」


4月19日(火)
牡鹿半島の末端・鮎川地域で物資配布のために出発した。
海岸沿いに入ると至る所に瓦礫が散乱。建物の姿は跡かたもない。
そこから少し上に上がったところに、全く津波被害を受けなかった家々が並ぶ。


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目の前に広がる景色がどんなに悲惨な状況でも、そこで生活している人々がいたのだ。
「救援物資をもってきました。車にたくさん積んであります。必要なものを持って行ってください」
半信半疑の様子だったが、車に隙間なく積まれている物資を見て、思わず笑顔になる。
「すご~い!○○さんも呼んできていいですか」

あいにくの雨模様だったが、あっという間にご近所の方々が集まり始める。
中には配布情報を聞きつけ、車で駆けつける方もおられた。

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この地域はまだ水も十分に出ていない。
とにかくあらゆる物が不足していた。

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そこに来られていた一人の婦人に何気なく質問してみた。

「いま一番必要なものは何ですか?」

「被災した頃はとにかく食べる物がほしかった。今は、家がほしい。」

安心できる我が家。落ち着ける場所。ゆっくり過ごせる空間。
普段当たり前のようにあるはずの「家」。当たり前のようにあるべき「家」。
その「家」がないという現実。あまりに過酷だ。

それでも、地域の方々は助け合い、情報を共有し合い、物資を分け合って生活されていた。
そこには確かに「絆」があった。

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