2015年06月16日

【コンゴ】元国内避難民のパメラさんを訪ねて


 コンゴ民主共和国は鉱山資源が豊かな国ですが、現在も国連の人間開発指数で187ヵ国中186位と、世界最貧国の一つです。NL297号(本年4月号)で、ハンズ・オブ・ラブ・コンゴのジェローム・カセバ駐在員より元国内避難民パメラさん(35才)の働きの支援について紹介されました。パメラさん一家は略奪者により一切の財産を失い、お兄さんは殺され、一家も離散、450キロ離れたルブンバシまで避難してきました。そこでJIFHが開いた「VOCセミナー」(地域変革セミナー)に参加して学んだことをきっかけに、以前住んでいた村に近いプエトに戻り、農場プロジェクトを始めたのです。以下、日本国際飢餓対策機構の特命大使としてプエトを訪問された近藤氏によるレポートです。

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【写真:パメラさんと近藤特命大使】

 ルブンバシからプエトまでの道のりを20時間かけバスで移動した後、3人乗りオートバイの背に30分ゆられて、ついにパメラさんたちの農場に着きました。貯蔵庫には、大きな袋3杯のトウモロコシが誇らしげに並んでいました。パメラさんたちが政府から無償で借りている土地は約1万8,400坪あり、まだトウモロコシが主ですが、豆やピーナッツ、カボチャ等の野菜も少しずつ増やしているそうです。またトウモロコシの実を、そのままではなく、いずれは脱穀機を買い、付加価値の高い商品として売ることができたらと話していました。

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【写真:農場にて(パメラさん(左)とジェローム駐在スタッフ)】

 翌日パメラさんは家畜場を案内してくれました。ジェロームが今年1月にプエトを訪ねた後、柵を作り、約1,200坪の土地で数頭の豚を飼育し始めたようです。近隣に迷惑をかけないよう農場よりも25キロ先にあり、常に3人が交代で家畜場近くに住み込んで、豚の世話をしているそうです。農作物と違い天候に左右されず、より安定した収入を得られる家畜はこれから農作物と同じくらい大切になると話してくれました。

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【写真:家畜場の柵の前で】

子どもたちの教育

 パメラさんは殺されたお兄さんの娘と自分の子ども4人を奥さんと養育しています。学校に通っているのは一番年長で14才になるお兄さんの娘のミサンギさんのみ。内戦で何年も学校に通えなかったミサンギさんは、小学校5年生のクラスに出席しています。コンゴでは義務教育というものがなく、小学校は月に約500円の授業料を払えば誰でも学ぶことができるそうですが、月謝が滞るとすぐに学校から帰らされるとのことです。パメラさんは子どもたちの教育が大切なことは分かっているが、生活を安定させて収入を得る生活ができないことには、子どもたちが学校を出ても安心して働くことができない。また元の避難民に戻ってしまうと、とても心配していました。

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【写真:プエト市内の日常風景】

 パメラさんの心配を、今回私はコンゴをバスで移動する数日の間に、わずかですが体験することができました。内戦後の混乱で道路や水道、電気といったインフラがいまだ崩壊したままで、1度干ばつが起これば、深刻な飢餓が起こりかねない状況です。またこれまで社会が豊かになりかけるに連れて多くの紛争や略奪が起こっていることを考えると、パメラさんの心配は大いに納得させられるものでした。

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【写真:プエト事務所前で農場関係者全員が集まって撮影】

 今回の訪問から、私はコンゴのこれからについてさらに多くの宿題を与えられた気がします。(報告と写真・近藤高史)

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