
今、世界では何が・・・?
今年4月、ロンドンで「食料サミット」、次いで5月には横浜でアフリカ開発会議(TICAD)、6月にはローマで再び「食料サミット」が緊急召集され、7月には北海道にて洞爺湖サミットが開催されました。いずれの会議も中心議題には、世界規模の食糧危機への対策をいかにすべきかが挙げられていました。今、世界で、また貧しい方々の日々の生活の中で何が起きているのでしょうか。
国連食糧農業機関(FAO)の予測では、2008年の穀物総生産量は過去最高の約21億6,400万トンを見込んでいます。これは全世界の人々が一人当たり年間約325kg消費できる量であり、6年前と比べると約20kg増加しているのです(1人当たり1年間の標準必要穀物量は180kg)。
にもかかわらず、飢餓に追い込まれる人々は増え続け、昨今では食糧価格の急騰が彼らの生活を更に厳しい状況へと追いやっています。世界銀行総裁ゼーリック氏の報告によると、食糧価格は過去3年で世界平均83%高騰、小麦は181%値上がりしました。穀物輸出国は、自国民の食を守るために輸出規制・輸出禁止を既に開始しており、そのあおりを受けた国では食料をめぐる暴動やデモが続発しています。
では、この食糧価格高騰の背景にあるものは何なのでしょうか?
まず、旱ばつ等の自然災害による点が上げられます。例えばオーストラリアでは、100年ぶりといわれる2年連続の旱ばつが小麦価格急騰のきっかけとなりました。
食糧とエネルギー資源の垣根が壊されたことも影響しています。2007年1月、アメリカは代替エネルギーとして、トウモロコシを原料としたバイオエタノールの消費拡大を打ち出しました。それにより、米国では大豆畑などが「儲かるビジネス」としてトウモロコシ畑へと転作され、穀物生産量は増加しました。しかし、バイオ燃料の需要が急激に増えたことで、食用の穀物も含めた価格の高騰が起きているのです。
インドや中国といった新興国の経済発展による食糧需要の増大も大きな要因と言われています。スピード著しい経済成長に伴い、エネルギー資源の消費拡大食生活の西洋化が指摘されています。
さらにこれらの背後には、グローバル化した市場経済の構造をたくみに利用し、人為的に世界の食糧市場を操作する力が存在します。
米・サブプライム住宅ローンが破綻して以来、行き場を失ったファンドマネーが、「投機」の対象として、株式市場から原油市場や穀物市場に流れこみ、かつてない価格変動をもたらしているのです。
原油価格の高騰によって、穀物生産に必要な肥料の製造や輸送、脱穀用燃料などのコストが上昇したことで、結果的に穀物の価格も上げざるを得ない状況が起きています。
世界の穀物市場に影響力をもつ「穀物メジャー」最大手の会社の販売利益はこの価格暴騰の中、前年度比の約7倍にも膨らんでいます。グローバル経済の恩恵で、世界の貧困や飢餓すべてが解決したわけではなく、逆に力や富による支配の構造が広がりつつあることが、この価格高騰の裏にある本質なのです。
そのような世界の中で、日本は、工業先進国の中で最低ラインの食料自給率(カロリーベース自給率40%/2008年8月5日農水省発表)、そして世界最大の穀物輸入国です。日本が諸外国よりも高値で買うことも、穀物価格が最貧国には手の届かないレベルにまで上昇してしまう理由のひとつです。にもかかわらず、輸入量の3分の1にあたる量を捨て、また家庭から出る生ごみの3割は封も切らずに捨てられていると報告されています(京都大学環境保全センター/2008年6月21日朝日新聞より)。
世界の食糧危機は、私たちと無関係なのではありません。それどころか、自分の生活の快適さや便利さのみを維持しようとする私たちの生き方が、これらの事態を起こしているのではないでしょうか。「さらにさらに」という思いから、「満ち足りる」思いへ、そして「自分の大切なものを分かち合う」生き方へと、私たち自身の価値観を変えていきませんか。すべての人が希望と喜びをもって生きられる世界の実現のために、共に具体的な一歩を踏み出していきましょう。
食糧の値段:一年前→現在(6月15日現在)
1年前は1日3回だった食事が、今では1回の食事を摂ることさえ難しくなりました。テフが高くて買えず、主食のインジェラさえ毎日食べられなくなったんです。ワット(インジェラのおかずで、シチューのようなもの)が作れないときは、バルバレという唐辛子の粉をつけて食べています。
セメントも不足して建設工事が中断したため、日雇い労働者が失業したと聞きました。日雇いだった私の友人は、今は他の家のインジェラを焼いたり洗濯をしたり、わずかな収入を得て、子どもたちを育てています。
1年前までは1日3回は食事ができましたが、今は2回です。肉は1~2ケ月に1回食べる程度でしたが、それも全くなくなりました。
今(6月)はまだ去年の収穫の蓄えがあるからいいですが、9月頃にはそれも底をつき、次の収穫時期(1月頃)までは、米を買わなくちゃならない。でもこんなに米の値段が高くちゃねぇ…。
現金収入が少ないので、日雇いとして働くこともありますよ。収入は1日に7千~1万リエル(190円~275円)くらい。でもその仕事も、時には全くないこともありますね。
私たちは自分でジャガイモを作ってますから、食事の回数は特に減っていません。でもその代わりに、野菜や米を買えなくなりました。農業や牧畜で年に3千Bsくらいの現金収入があるだけですから。以前「じゃがいもだけでは子どもたちの成長のためにはよくない」と聞きました、これじゃ、ますますじゃがいもだけの食事になってしまいますね。
子どもたちは休日や長期の休みには、街へ出て、路上で物売りや大工仕事の手伝い等をして、家計を助けてくれてますよ。
※チューニョ:ジャガイモをフリーズドライしたもの
★共に生きるために
世界のさまざまな場所で飢餓・貧困と闘う方々の自立への努力を、今年も募金を通して応援していきます!
<募金予定支援活動>
●食糧危機に対する緊急援助支援:エチオピアなど
●家族と地域の変革のための支援:バングラデシュ
●貧困の中で子どもを養っている女性のための自立支援:エチオピア