ハンガーゼロ アフリカ」とは

NewsLetter巻頭言

2017年03月01日

明日を生きる原動力

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 6年前の3月11日、激しい余震と津波で人々が命の戦いを続けている被災地で、110人を超える新しい命が産声をあげました。ライフラインの緊急停止、多数の怪我人、原発事故への対応などに医療現場が大混乱している中、懸命に母親を励ます医師や看護師、家族によってその命は生まれました。母親たちは「この子が大きくなったら、どんな状況の下で生まれたのかを必ず伝えます」と口々にメディアに語っていたのを思い出します。

表紙福島ホープ.jpg
【写真:子どもと家族の支援プログラム「ふくしまHOPEキャンプ」】

 震災と津波によって数え切れない人々の命が失われ、絶望感が広がる中で、新しい命誕生のニュースに多くの人は希望の光を見出せました。その子どもたちもこの春には小学生になります。ただただ元気で健やかに育って欲しいと願います。

 被災地は急速に復興に向かい、町も人も大きく様変わりしています。宮城県では、被災者の大半が復興公営住宅や再建した自宅に移り、仮設住宅に残っている人の数は本当に少なくなっています。復興支援の一環で作られた仮設商店街のお店も、次々に新設された商店街に移り、事業を営んでいる方々の再チャレンジも本格化してきています。ただ、そのような事業者ばかりではなく、やむなく廃業や事業転換を余儀なくされた場合も少なくありません。様々な形で一人ひとりのペースで復興の道はまだ続いています。

 それでもこの6年それぞれが半歩、一歩と前に進むことができたのは、多くの人々の励ましと支援があったからです。被災地で生まれ、あの日の後に当機構の一員に加えていただいた私にとっても、大勢のボランティアの方々や見えるもの、見えないもの(物心両面)の支援が、明日を生きる原動力となりました。

 私たちにできることには限りがあります。しかし小さな手でも、様々な違いを認めつつ結び合うことで力強い愛が実践されていくことを私たちは知っています。今も世界には飢餓に苦しむ人々8億人、小学校にさえ通えない子どもは5,900万人。ハンガーゼロ=飢餓のない世界の実現はまだまだ険しく思えますが、東北でそうであったように、一人ひとりを支援し励ます取り組みは着実に成果を表しています。私たち自身が希望を失わず手を伸ばし続けるなら、それは必ず誰かの生きる希望となるのです。

「もしひとりなら、打ち負かされても、ふたりなら立ち向かえる」(聖書)

日本国際飢餓対策機構 伊東 綾(東北担当)
(3月号巻頭言No.320)

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