食料問題 一覧

2023年10月13日

2022年世界食料デー募金使途報告/ケニア共和国


2022WFD報告ケニア.jpg伝統的な農法ではもう生産性が望めない、そういった地域があります。ハンガーゼロが支援している現地パートナー「FHケニア」の活動地であるマルサビット・カウンティのソロロ地域もその1つです。近年の気候変動によってソロロのような乾燥地域では、これまでの農法が通用しなくなってきています。そんな現状を打開するために、ソロロ地域でも人口密度が高く中心部にあるゴロレ集落に「コミュニティ農園」が設立されました。

 コミュニティ農園プロジェクトの目標は、効果的で適正な農業についての知識向上と、食料安全保障の改善です。プロジェクトは地域住民が主体となって実施し、開始時には地域連合会(CLA)のメンバー60人(女性46人、男性14人)が「何を、どこで、どうやって」行うかを徹底的に話し合いました。農園の設置位置と管理責任グループを決定したのもこの話し合いの中でのことです。

 地域連合会は、コミュニティの意思決定、地域住民の社会的・経済的に健全な暮らしの維持などにおいて重要な役割を果たす自助グループの集合体で、構成メンバーの多くは女性です。農園の管理責任を負うことが決定したジレサ連合会(Jiresa CLA)はそのうちのひとつで、傘下に15人程度の自助グループを7つ抱えています。

水の安定供給を図るための貯水池 コミュニティ農園はジレサ連合会が中心となり、地元リーダーで構成された「地域変革チーム」やFHケニアと協力をしながら設置され、運営されています。まず、ジレサ連合会のメンバー30人が研修に参加し、このプロジェクトが地域にもたらす利益やそれが食料課題の解決にいかに役立つかについて学び、実施計画を策定しました。

WFD2022③.jpg コミュニティ農園の周囲には頑丈な金網フェンスを設置しました。これにより人や動物の侵入を防ぐことができて農園の安全が確保できました。また、早植えのための土づくりと貯水のシステム作りをしました。この地域には雨季があるため、それに備えたのです。貯水池には180,000リットル、3基の貯水タンクには計30,000リットルを蓄えることができます。既に貯水池いっぱいの水を蓄えることができたので、雨季が終っても作物は守られるでしょう。農地には遮光ネット、あぜやなどを設置し、作物の維持・管理がしやすいように整えられました。

 これら農園の設備設置を担ったのはジレサ連合会のメンバーです。メンバーたちは定期的に農場に来て設置を行い、また、植え付けのやり方や種の見分け方、害虫駆除などの基本的な技術を学びました。実地訓練を受けたメンバーたちは学んだことをそれぞれの自助グループへ持ち帰ることになっているため、知識が共有される仕組みになっています。また、農園へはソロロ地域の別の集落から訪問研修に訪れる人々がおり、学んだことを持ち帰るという動きが活発でした。訪問研修には、10以上の自助グループから合計53人(女性47人、男性6人)が参加し、知識を得た人々はそれぞれの自助グループにて自分たちのグループ農園を始めるなど、とても意欲的です。その中には、自分たちの集落で貯水池の掘削を始めているグループもあります。

実践で得た教訓を全員で共有

WFD2022②.jpg コミュニティ農園では、地域の人々が適切な農業技術を学べるだけでなく、実際に様々な作物が育てられています。ササゲ豆、ピーナッツ、緑豆などは、花が咲きまもなく収穫時期を迎えます。苗床では、ケール、ほうれん草、トマト、玉ねぎ、唐辛子などが発芽し、無事に定植が完了しました。定植を行う際、苗の余剰が出ました。ジレサ連合会のメンバーはその苗を販売し、それが農園にとっての最初の収入
でした。メンバー自身も苗を購入し、家族で食べるために自宅で野菜を育てています。一方で、様々な農具や種子の調達に時間がかかることや、訪問研修の時間がまだ十分には確保できていない

などの課題もあります。調達に関してはより早期に計画をたて、訪問研修に関しては定期的に行うことによって解決しようと考えられています。

WFD02022④.jpg このコミュニティ農園プロジェクトによって、ソロロ地域の人々に乾燥地域における適切な農法の知識が広く伝わっていっています。そして、その知識は意欲をもたらし、毎週行われる自助グループのミーティングでは、学んだことを実践してみた中での成功例や失敗から得た教訓などが共有され、メンバー全員がコミュニティ農園の恩恵を受けることができています。

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2023世界食料デー特集はこちらから  大会や募金情報を掲載中

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2023年10月06日

10/7 世界食料デー滋賀大会を開催 


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世界食料デー滋賀大会.pdf

10月7日(土)「世界食料デー滋賀大会」が、ニューホープチャペル(彦根市山之脇町27 −1)で午後14時(開場13時半)開催されます。

主催:世界食料デー滋賀大会実行委員会。共催:ハンガーゼロ 入場無料:どなたでも参加が可能です。自由募金があります。

主なプログラムは、ゴスペルバンド、ソロのミニコンサートとゴスペルフラ(フラダンス)及び

ハンガーゼロ現地活動報告(コンゴ民主共和国の動画上映)、講演:ハンガーゼロ安達スタッフとなります。

また会場でフェアトレード商品の販売(出店:キングダムビジネス)も行われます。

また来会者には各種資料とともに、飢餓をゼロにするための〜わたしから始めるアクション〜のゼロ菜園にチャレンジできる種も配布されます。

滋賀大会は、地元のキリスト教会らが協力して開催される世界食料デー大会です。開催毎に協力と支援の輪が広がり、今回初めて彦根市での開催となりました。皆様のご参加をお待ちしております。

また、当日はyoutubeによる限定配信も行われますので、オンラインで大会に参加することもできます。

URLは  https://youtube.com/live/Bjd4uqD5rcQ?feature=share

世界食料デー2023年の情報及び募金はこちらから

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2023年09月22日

奈良馬見丘陵公園でチャリティコンサート!(終了)


ハンガーゼロの支援団体のGMSミニストリーズの主催によるチャリティコンサート「愛に生きる音楽」が9月23㈯に奈良・馬見丘陵公園大型テントで開催されます。

当日は、ゴスペルクワイア他の演奏とともに、ハンガーゼロのジェロムスタッフが活動報告をして募金アピールをします。

また今回も協力企業のキングダムビジネスがフェアトレード商品の販売を行います。

楽しいイベントですので、ぜひご来会ください。ジェロムさんやハンガーゼロのスタッフにアフリカや飢餓のことを個人的に質問することも大歓迎です。

参加:無料

出演:奈良市立一条高等学校吹奏楽部

   なにわブラック・ペッパーズ

   GMSクワイア

活動報告:ハンガーゼロ/ジェロム・カセバスタッフ

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2023年09月06日

ハンガーゼロ活動報告/ケニア・シープケア学校


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ケニアの首都ナイロビ郊外のソウェト・カヨーレというスラムの中にあるシープケア学校では現在、初等教育(Primary school)350人、中等教育(Secondary school)103人の合計453人の生徒が学んでいます。

 スラムで暮らす人たちの多くは、地方での生活が成り立たなくなって都会に出て来ており、収入が安定しない日雇いの仕事で生計を立てている家庭がほとんどです。家族が食べていけなければ、ある程度の年齢になった子どもたちも働いて、その日その日を生きていくための日銭を稼がなくてはなりません。親を亡くしたり、親の再婚で家庭に居づらくなり路上で暮らしている子どもたちにとっては、食べ物の確保は死活問題ですから、そのために丸1日を費やしています。しかし、そんな生活をしていては貧困の連鎖から抜け出すことはできません。

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2023年09月06日

ハンガーゼロ活動報告/コンゴ民主共和国


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報告:ジェロム・カセバHOLC代表

holcMAP.jpgHOLC(ハンズ・オブ・ラブ・コンゴ)は、コンゴ民主共和国全土で実施している全てのプロジェクトが、コンゴの地域社会に永続的な影響を残すことを目標に活動しています。今回の訪問で活動に参加している地域住民がこの目標のもと、困難の中でも常にビジョンに向かって前進している姿を見ることができました。

 2019年の初めに、HOLCは数年に亘る事業計画を策定しました。その中には、地域開発と変革、人材育成(トレーニング)、パートナー開発、平和構築と和解のためのプログラムがあります。これらの戦略を農業・畜産プロジェクトなどの取り組みを通して実施し、地域の成長を促しています。またこれら4つの戦略のうち、すでに地域開発と平和構築と和解のプログラムは実施されていますが、パートナー開発と人材育成の訓練は、コロナ感染大流行のあとゆっくりと進行しています。

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2023年09月01日

2023年世界食料デー特集ページ公開しました


 ハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構)は、10月16日の「世界食料デー」に合わせて、9月1日~11月30日を「2023世界食料デー月間」とし、飢餓啓発や募金運動を行う世界食料デー大会を全国10地区(都道府県)13会場で開催いたします。全国の支援キリスト教会での「世界食料デー礼拝」の開催や支援グループによる催事等も行われます。

 今年の世界食料デー「あなたの1食分募金」は、当団体の15ヶ国の活動地で行われている「住民が主体となって飢餓・貧困から脱却するための取り組み」に用いられます。募金目標は2千万円です。(※2022年は目標を達成しました)

 2023年の世界食料デーは「Hunger Zeroぼくらの世界」を開催テーマにしました。この世界の厳しい現状から目をそらすことなく、飢餓・貧困問題の解決に一人一人が行動を始めていくことを願っています。

ぜひ公開した、世界食料デー特集ページをご覧ください。食料デー募金とともに大会や催事のスケジュール、動画もご覧になれます。

世界食料デー特集ページこちらから

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2023年08月29日

9月1日の「防災の日」に合わせてパンの備蓄を


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賞味期限5年のパンの缶詰

 卵不使用で「まもり高める乳酸菌 L-137」を配合した「パンのかんづめ」です。

 通常価格は1缶500円(税別)ですが、防災月間のために特別価格セットをご用意しました。もしもの災害に備えてぜひご用意ください。

1セット3缶送料込み2,000円でお届け。(沖縄・北海道は500円加算)

2セットの場合は送料分から400円割引。3セットは送料分から1,000円割引となります。

お支払い:原則として銀行振り込み、また郵便振替の後払い

※送金は必ずキングダムビジネスまでお願いいたします。ハンガーゼロでは一切お受けできません。

お申し込み:

㈱キングダムビジネス

スマートフォンは右の

QRコードから

電話注文:06-6755-4877

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2023年07月11日

2023世界食料デー ぼくらの世界


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ぼくらの世界では、今...

 2020年以降のコロナ感染症の大流行により、世界中の経済状況が悪化しました。特に社会的・経済的にな状況下で暮らす途上国の人々は、厳しい生活を強いられてきました。加えて、昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻は食料・肥料・燃料などの価格高騰を招き、世界の飢餓状況はさらに深刻化しています。紛争や自然災害で深刻な食料不足に陥った人々は2022年に2億5,800万人に上り、過去最多となりました。


わたしから始めるアクション

 世界の飢餓・貧困は非常に大きく複雑な問題ですが、それを引き起こすのが私たち人間なら、解決のために立ち上がるのも私たち一人一人です。小さなことでもアクションを起こすことで、世界は少しずつ変わっていくと私たちは信じています。今年もその「アクション」を始めてくださった多くの方々のご協力により、世界食料デー大会やイベントが各地で予定されています。ぜひご参加ください。


SNSキャンペーン ハンガーゼロな暮らし

 世界の食料問題解決のために、あなたが取り組んでくださっているアクションについて、写真や動画を通して、多くの方々に拡散しませんか。ご参加をお待ちしています。

※取り組みの例:食べ残しゼロチャレンジ、フェアトレード 商品買ってみた、家庭菜園など

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① ハンガーゼロな暮らし でSNS投稿しよう!

 各種SNSにて投稿を募集します!「#ハンガーゼロな暮らし」をつけて、ぜひ多くの方へのシェアをお願いします。


   ② ショートムービー をハンガーゼロに送ろう!

 1分以内の動画をハンガーゼロまでメールでお送りください。内容を確認後、ハンガーゼロのYouTubeチャンネルにアップいたします。


 撮影条件:縦向き、アスペクト比9:16、解像度1080×1920

  送信先:世界食料デー事務局 tokyo@jifh.org

 ※10MBを超える場合はオンラインデータ送付サービスの

  Giga File便(無料)をご使用ください。


ぜろ菜園 に挑戦中!

 ハンガーゼロでは事務所内・ベランダ・庭などの小さいスペースで、野菜の栽培に挑戦中です!(SNSで#ぜろ菜園をチェック!)大会や集会向けに、ギフトとして野菜の種もご用意しています。私たちと一緒に野菜を育ててみませんか。


ぜろ菜園再生リストQR.png









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2023世界食料デーポスター

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2023年07月11日

みなみななみの「子どもニュース」を再開!


ハンガーゼロニュース最新号に、2019年12月号からおよそ2年半ぶりとなる「子どもニュース90号」を掲載しました。漫画はイラストレーターみなみななみさんが担当。90号は、難民の実体験をまとめた記録「Refugee Stories 難民物語」(編集 マリア ヘイワード オークランド工科大学言語と文学部)を題材にしています。今後もシリーズで継続予定です。戦争や民族紛争、政情不安なので難民となった人々の苦しみや困難の実際を漫画でわかりやすく紹介しています。
ハンガーゼロは現在、ウクライナ難民(国外の避難民も含む)への支援を継続しています。ぜひ応援をお願いいたします。
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漫画はこちらで拡大できます。
こどもニュース90号①.pdf
子どもニュース90号②.pdf

みなみななみ さんのホームページもぜひご覧ください。こちらから

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2022年07月27日

飢餓人口拡大でSDGs指標達成が困難に


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国連レポート.jpg 国連は7月6日「世界の食料安全保障と栄養の現状 2022年版」(注)を発表し、世界の飢餓人口が2020年から4,600万人増え、2021年に8億2,800万人になったと報告しました。また中程度から重度の食料不足人口は、世界人口の約3割にあたる23億人となり、新型コロナ拡大前より3億5,000万人増加しました。特に5歳未満の子どものうち、推定4,500万人が栄養失調の最悪レベル「消耗症」(死亡リスクが最大12倍)に相当し、また1億4,900万人は食生活で必須な栄養素が慢性的に不足して、成長や発達が阻害されているとしています。しかしその一方で、3,900万人は太りすぎであるとも指摘しています。

SDGs指標「飢餓をゼロに」の達成が困難に
 今後の予測としては、仮に世界経済が回復しても2030年には、なお6億7,000万人(世界人口の8%)が飢餓に直面しているだろうとし、これは「2030年までに世界の飢餓をゼロに」と、SDGs(持続可能な17の開発目標)で定めた、2015年時点とほぼ変わらないの飢餓人口になっています。加えて2022年2月に始まったウクライナ戦争で、国際的なサプライチェーンが混乱し、穀物、肥料、エネルギー価格が押し上げられ、世界的な食料不安、栄養不良、不平等がさらに拡大するとしています。
 報告書の発表に合わせ、WFPのビーズリー事務局長は、新型コロナ拡大により飢餓人口が急増した前年に続き、2022年はウクライナ戦争により飢餓人口がさらに増加するため「迫る危機を回避するためには、すぐに行動する必要がある」と述べています。

注:同報告書は国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連児童基金(UNICEF)、国連世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)が共同で作成し、毎年7月に発表されています。日本語による報告はユニセフHPを参照。

ハンガーゼロは今年も支援者の皆様と「世界食料デー」に取り組みます

私たちもアクションを起こしましょう。
あなたは世界の飢餓に困しむ人のために、どんな「アクション」を起こしますか。
立ち止まって私たちの生活を見直す時、私たちがどれ程世界と繋がり、恩恵を受けているかを知ることができるでしょう。小さなことでも一歩ずつ、「アクション」を起こしましょう! 買いすぎ、作りすぎで食べ物を腐らせたり捨てたりすることはありませんか。
今回も「あなたの1食分募金」運動にご協力ください。

最新情報は、9月以降にウエブサイトでお知らせいたします。
ハンガーゼロのホームページや、YouTubeチャンネル「ハンガーゼロ」をご覧になって下さい。SDGsも学べます。
毎日の食生活を見直して「食品ロス」がないか考えてみませんか。
お友だちに呼びかけて、どんなスタイルでも構いません「世界食料デーイベント」を開いてみませんか。


2022WFDチラシ.jpg

2022世界食料デーの記事はこちらから

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