2023年03月07日
連載〈22〉変わるものと変わらないもの
ボリビア多民族国 駐在 小西小百合
ラテンアメリカの人々とともに
2018年5月、コンフィタル村に住む当団体サポートチャイルドのルイス・マリオ君(当時12歳)が、脱穀機で左手の指3本を切断して出血多量の危機に陥りました。しかし"お金がかかるから"と、医者に連れて行くことを拒んでいた両親をFHB(注)スタッフが説得し、コチャバンバの病院で手術を受けさせました。私たちは入院から快復まで物心両面で支援し彼は元気になりました。
日本人夫妻から支援の申し出
しかし利き手の指3本の指先がない為に、右手で字を書くのに困難を極め中高等部に進むにつれて勉強の遅れが出てきました。教師が他の生徒と同じ進度を要求する中、マリオ君に大きなプレッシャーがかかり、2021年に学業を断念してしまいました。
彼と家族のためにスタッフが祈り励まして関わり続け、学校側にも彼への理解と協力を求めた結果、復学することができました。そんな中、日本で私がボリビア報告をしていた際にあるクリスチャンご夫妻が、「ぜひマリオ君を応援したい!」と、特別募金を申し出て下さったのです。
彼には手の障がいによって力のいる農業で生計を立てることができないという将来への不安があったため、"これを奨学金として彼が何らかの技術を取得するために役立てよう"とスタッフは考えました。
そしてこの愛の支援をマリオ君に伝えて、様々な技術取得の可能性を示すと彼は「理容師になりたい」という夢を描くようになりました。
優秀な成績で理容師に
その後、学校の長期休みにコチャバンバの町の短期理容専門学校で学び、学校の授業と重なる日はスタッフが学校にかけあって特別許可を得るなどして学び続け、2021年12月に32人中3番目の優秀な成績で修了し表彰されました。翌年5月に家庭訪問をした際にはマリオ君が父親の散髪をする姿を披露(写真㊤)してくれ、「日本の友人の皆さん、お祈りとご支援を本当にありがとう!」と満面の笑顔で言う彼と、息子を見つめるご両親の嬉しそうな顔が忘れられません。
1人の愛の手と行動が、ひとりの子どもの人生を変え、未来を切り開きます。どうぞこれからもぜひ"ひとりの子ども"へのお祈りとご支援を宜しくお願い致します。
まことに、あなたがたに告げます。あなたがたが、これらのわたし(イエス・キリスト)の兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです。(聖書)
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