2015年10月14日
【ラテンアメリカの人々とともに(3)】変わるものと変わらないもの
ラテンアメリカの多くの国々の課題の一つは、人々の健康状態が悪いことです。それがその国の貧しさの指標にもなっています。国連の統計をみていくとボリビアが南米で最も貧しい国であることがわかります。そしてこれこそ私たちJIFHがボリビアで活動をさせて頂いている理由なのです。
例えば1,000人当たりの乳幼児死亡数はボリビアが31人、と南アメリカ大陸の国々の中で最悪の状態です。(注1)また5歳未満の死亡数はボリビアでは1,000人中39人:ちなみにペルーは17人、日本では3人となっています。(注2)そしてJIFHの支援地域アサワニ地区では1,000人中150人、リオカイネ地区では70人とたいへん高くなっています。その死因の第1位は慢性栄養不良です。5歳以下の慢性栄養不良の割合がこの地域では50 %近くにも達しているのです(注3)。
これは貧困のゆえに起こっている悲しい現実です。このことから、JIFHの協力団体であるFH ボリビアでは"2020年までにFHボリビアが活動している地域の子どもの慢性栄養不良をゼロにする!"という目標を掲げました。支援を進めて行く中で、私たちは特に5歳以下の子どもに対しての保健・栄養指導を強化しています。そのために家族全体に継続的に関わっていき、十分な栄養状態で育てることが子どもの発育にたいへん重要だということを伝え、実践して頂くよう勧めています。
私たちは子どもの教育及び地域の自立開発支援をボリビアのチャヤ地域で12年間行ってきました。その後、2012年から同国の新たな2地域で活動を進めて4年目になりますが、私が今までの活動を振り返って今最も強く感じることは、"継続支援の大切さ"です。継続することによりFHボリビアのスタッフと共に目標を掲げて長期的かつ有効なプランを立てて進めて行くことができるからです。
貧しさゆえに母子ともに十分な栄養を取ることができず、また不衛生な環境で病気にかかって命を落としていく赤ちゃん。また街の子どもたちと比較にならないほど身長・体重だけでなく脳の発達にも支障をきたしている田舎の厳しい環境で暮らす子どもたち。この目の前にいて苦しんでいる、そして一生懸命生きている一人の子どもが、もし自分の子ども、また弟・妹だったら、"何としてでも助けてあげたい!"と思うのではないだろうか...。そう思わされました。自分にできることは小さなことかもしれないけれど、"まずこの一人に手を差し伸べる"活動をこれからも続けて行きたいと願っています。
「彼は貧しい人々に惜しみなく分け与えた。彼の義は永遠に堅く立つ。
その角は栄光のうちに高く上げられる。」(聖書)
参考資料:(注1,2)UNICEF 2015 (注3)FH Bolivia 2014
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