2015年08月12日

【ケニア】意識変革のセミナーを実施


 開発途上国において、人々は極度の貧しさから「自分たちでは何もできない」「外部の支援に頼るしかない」という考えに縛らてしまうことがあります。JIFHでは、そのような依存心を生み出すのではなく、地域住民が主体となって、問題や課題を解決していくことができるように、「意識変革」のセミナーを実施しています。これまでにニジェール、コンゴ民主共和国などで実施してきました。今夏は、ケニアで「意識変革」のセミナーを行っています。以下、現地からのレポートです。

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 酷暑の日本とは違い、高地にあるケニアのナイロビは、日本の秋を思わせる気候です。ケニアの首都ナイロビの東にあるソウェト(南アフリカのソウェトとは別)という町に、JIFHが支援するシープケアコミュニティーセンター(学校)があります。ソウェトという町は、軍が基地を作るために移住した人々が約20年前に住み着いた町で、現在は約60万人の人々が住んでいます。住宅街の道路は舗装されておらず、ゴミが散乱しています。その道路には、大人も子供も、人が溢れかえっていて、喧騒とともに、人々の生活の力がみなぎっている感じもします。

 この、ソウェトの町にシープケアはあるのですが、幼稚園から高校までの学校と、地域の人に水を供給する給水ポイントとしても貢献しています。JIFHは2010年にスタッフが訪問し、そこから支援が始まりました。現在までは、主に子供達の学校給食の支援や、世界里親会(CDP)の活動をしてきました。その間に、シープケアは支援を受けるだけではなく、自分たちでできることを、小さなことからでも始めようとの試みがなされてきました。

 今回は、このシープケアを会場にして、地域のリーダーやビジネスに関わる人、主婦、学生、牧師、教師、など様々な分野で活躍する人が約60人集まって、地域を変革するために「意識改革」のセミナーを行いました。FHIフェデレーションのランディー・ホーグ氏を講師に、3日間のセミナーが行われました。

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  地域を変えるために、いつまでも外国や援助団体の支援を待つのではなく、自分たちの足元からできることがあること、そのためにはまず自分の意識を改革することから始めることを学びました。実際に一昨年コンゴ民主共和国で行われた同じセミナーに参加していた一人の男性が、経済的にも社会的に困難な状況の中でも、自分の持っているものでできることから、それも一人で始めることをとおして、一つの村が変わっている例を紹介しながら、このナイロビでも可能であることをみんなで確信しました。

 参加者は、それぞれの地域ごとに具体的に現状を考えのて、将来のビジョンを考えました。ないことばかりにとらわれて、何もしないのではなく、何があるのかを考えて、そこから始めるチャレンジを受けたのです。それぞれのグループは今の自分のコミュニティーと将来のビジョンを絵に描いてプレゼンテーションしました。

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 寒いぐらいのナイロビですが、ここシープケアではみなさんの熱心に学ぶ姿で、熱気にあふれています。やがて、ここで学んだ人から、地域を変えていく人が起こされることを期待します。

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この後、8月14日から16日までは、ケニアの西部の村ニャカチでも同様のセミナーを行います(報告:岩橋竜介)

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