2015年08月10日

【カンボジア】里子訪問ツアーに参加して


 2015年5月、アンロンベン地区の支援終了式典に出席、里子訪問のためにカンボジアへ行って参りました。「私たちといつも一緒にいて共に歩いてくれたNGO団体はFHだけでした。私たちは幸せです。これからは教わったことを自分たちの力だけで実践していけます。」「学校大好き!」笑顔と自信に満ちて感謝や決意を語る人々の姿から、支援活動によって実った希望をはっきりと見ることができました。(引率:山田香菜)

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懸命に生きるたくましさ
●平和の君教会 山下朋彦

 まさか私たち夫婦がカンボジアの地に立てるなんて。まして里子に出会えるなんて!これが正直な感想です。私の奉仕する日本キリスト改革派・平和の君教会はとても小さな教会です。7年前に、皆でカンボジアの貧しい子どもたちを支援しようと決めました。そして昨年、その里子の住む村の自立支援は終了しました。蒸し暑く、生水は厳禁、疫病の恐れや、体力の不安等、躊ちゅうちょ躇は多分にありました。けれどもそれらの心配・犠牲に比して余りある大きな喜び・恵みが与えられました。なによりもカンボジアのほんの一部だけですが、風土や歴史、人々の生活に生で触れ体験できたことは人生の貴重な宝です。

 特に地方(農村部)では子どもたちの置かれている環境は厳しく、家は貧しく不衛生で、一旦雨が降ると道路や畑はドロだらけになります。そうした中、懸命に生きる子どもたちのたくましさや、現実がどれほど過酷であっても夢を追い
かけることを止めない真剣さに頭が下がります。里子のボロアス・コアンさん(17歳)も「将来ドクターになりたい」と夢を語ってくれました。また現地のスタッフの方々のご苦労も聞くことができました。毎日バイクで事務所から30分の
里子の住む村まで行って励ましをし、私たち里親への深い愛情や信頼を育んで下さっていることも知ることができました。


●山下宣子

 絵がとっても得意で家の様子や周りの自然を豊かに描いてきてくれたボロアス・コアンちゃんにようやく会えて、とても嬉しいです。妹さんと弟さんの3人で出迎えてくれました。やしの実のジュースも美味しかったです。

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オンリーワンを再認識
●豊田悦子

 今回訪ねたファイリちゃんは17才の女の子でトゥールトゥベン村に住んでいます。7年前に支援が始まった当時彼女は10才でした。手紙は最初は母国語でしたが、3年ほど前から英語で近況や夢なども書いてくるようになりました。カンボジアに着いた次の日、長い間夢見ていた彼女の家を訪問しました。車が到着し何人か家の人が駆け寄ってきてくれた中に、7年間成長を追ってきたファイリちゃんがいました。会った瞬間は感動で言葉はでず涙がでてきました。

 彼女は英語が堪能で普通に会話できるのですがこちらの英語力が彼女についていけず、また聞きたいこともいっぱいあったのに頭が真っ白になってしまい質問を紙に書いていけばよかったと後悔しました。彼女のお母さんも家族もとても喜んでくれ本当に行ってよかったと心から思いました。ファイリちゃんが「会いたくなった時はあなたや家族の写真を見ていた」というのを聞き、私にとって彼女は何人かいる里子の一人だったけれど、里子にとって私たちはたった1人の里親なんだと気づかされました。神様が私たちをオンリーワンとして見てくださっているのに、私は里子たちをオンリーワンとして見ていなかったことに気づかされました。

 その日の午後、クロージングセレモニーに参加しました。何人かの村人がFHがしてくれたことに対する感謝の言葉を述べ、子どもたちは歌や踊りを披露してくれました。

 最終日、うだるような暑さの中アンコールワットを見学し、午後から次の支援地スバイルー地区の子どもクラブを見学に行きました。そこの子どもたちは支援終了の村の子より衛生状態も悪く、貧しい様子で7年前のファィリちゃんはこんなふうだったのかと感慨深いものがありました。その地区の里子の家を1軒訪問したのですが、家にはごみが落ちているし子どもの服もかなり汚れてました。個人差もあると思いますが、支援終了地区の家と比べるとその差は歴然としていました。

 鉛筆を2本もらって喜んで家路につく子どもたちを見て本当にかわいいと思い、この子たちの未来を少しでも明るくするお手伝いをしたいと心から思う旅でした。

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新しい支援地を見て
●川島 祈

 私は里親をしていた家族の代表として参加させていただきました。最初に訪れたトゥールサラー村では村の人が経営している小さなお店に案内されました。そこでは片足を失った男性と出会いました。この近辺に住む50~60代の男性の多くが戦時中の地雷によって片足をなくしているそうです。カンボジアの歴史的背景と、日本では感じられない戦争というものを身近に感じました。

 支援が終了した村では、村をあげて感謝のセレモニーが開かれ、大勢の人々から暖かい笑顔で迎えられました。そこでは何人かの方々が、支援を通しての生活や経済面での変化を語ってくださいましたが、自分たちの支援がこの地域の人々にとって非常に意味のあるものであったことを実感しました。

 私たちの里子とその家族にも会うことができました。小柄でシャイな子でしたが彼の家は、清潔感があって建物もしっかりしているように見受けられました。私たち家族は日々彼のために祈ってきたので、こうして祈ってきたことが形になっている様を目にして嬉しかったです。

 最後にこれから支援を開始する地域に赴きました。現地のスタッフ主催の子ども集会が行われており、多くの子どもたちの笑顔が溢れていました。しかしよく見ると、栄養不足か髪が茶色がかっていたり、皮膚の一部が黒くなっている子が多く、周囲の環境も支援が終了した地域と比べて清潔感に欠けていました。

 この旅を通して、カンボジアの現状を目と肌で実際に感じるというすばらしい体験ができました。同時に、支援を必要としている地域がまだまだたくさんあるということも感じました。この日本での生活に心から感謝し、そして途上国に住む人々のために、これまで以上に日々祈っていきたいと思います。

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