2015年06月23日
【モザンビーク】子どもたちの成長がより良い社会を築く(元駐在員レポート)
1997年から2002年まで日本国際飢餓対策機構の駐在員としてアフリカのモザンビークで活動をした、ローレンス・綾子さん(旧姓:小倉)が14年ぶりに当時の活動地ムササを訪問。そのときの報告が届きました。
ムササ小学校に寄ってみると、山の手ロータリークラブによって寄付された建物に2つの建物が加えられ、たくさんの子どもたちが勉強していました。
そこから私たちは「ある場所」へと向かいました。門を開けると、人々が歌いながら一列に並んで私たちを迎えてくれました。驚いたのは、その当時一緒に動いていた牧師のほとんどに会えたことです。ソロモン牧師は88歳、エルネストさんは95歳なのに自転車で来ていました!再会できたことを共に心から喜びました。
この「ある場所」とは元里子のアデリーノが運営している「マンゴツリーキッズ」という幼稚園です。もともと建物も何もない所でアデリーノはマンゴの木の下に子どもたちを集め、聖書の学びを始めました。そこから子どもたちが増え、賛同する大人が与えられ、建物が建ち、幼稚園が始まりました。今年でこの幼稚園は12年目を迎え、200人以上の子どもたちが、朝から午後3時半までここで過ごしています。
【写真:マンゴツリーキッズ幼稚園の園児はその名のとおりすくすく成長しています】
先生は全員、卒園生!
幼稚園の門を開けて入ったとたんに、そこは違う世界なことがわかりました。そこには希望があり、ワクワク感があり、神様の祝福と守りに包まれているのは誰の目にも明らかでした。しかも驚いたことにそこで教えている先生は、その幼稚園の卒園生たちでした。学校を卒業し、宣教師が経営するトレーニングスクールで訓練を受け、こうして母校で子どもたちを教えているのです。
アデリーノは「すべて里親会で習った聖書の話が僕の基盤なんだよ。受けた祝福を次に与えていくことを教えてくれたのも里親会だ。だから綾子にもFHのスタッフにもすごく感謝しているし、これからも感謝し続けるよ」と言いました。私たちの能力をはるかに超えたことを成してくださる神を崇めました。
考えさせられた2つのこと
1つは当時住んでいた頃は気付かなかったのですが「里子」になることで、多くの子どもたちが「選ばれた」と感じ、大切な存在だと実感し、それが自信につながっていたことです。今回はアデリーノの他にもたくさんの元里子に会いました。フェリザルダは、極貧のシングルマザーの元に育ったにもかかわらず、JIFHの奨学金制度によって、大学まで卒業しました。現在は生物学の先生をしています。また自分の家を建築中で、実際に家を見せてくれました。ティアゴ(写真㊤)は、幼少期に病気で片目を失明し、その当時私自身も病院に付き添いました。今はゴロンゴーザ地区の教育委員会で働き、素晴らしい家庭を育んでいます。彼らは逆境に屈せず、被害者意識に病むことなく「頑張れば道は開ける!」と信じて、実際に成功を手にしたのです。
2つ目は「持続性」という言葉の定義についてです。私たちが支援を行う時、外からの支援への依存をさらに強める構造を作らないように極力注意を払います。しかし依存心を強めることを怖がりすぎると、中途半端な関わり合いしか出来ずに、地域に変革をもたらさないままに終わってしまうと感じました。精一杯関わり、持てるものを注ぎだして必要な支援をしっかりとしていく。そして支援が終了した時に、彼らがそれを自分たちで継続していくことが出来るようにします。そこで関わる子どもたちが希望を持ち、人々の祝福となることを願う生き方を選んでいく。そして良い社会が築き上げられていく。これ以上に素晴らしい「持続性」はないのだと感じました。
聖書に「善を行うのに飽いてはいけません。失望せずにいれば、時期が来て、刈り取ることになります。」とあります。私たちは、時としてはなかなか実が見られないと感じたり、思い返しては反省するような瞬間も多々あります。し
かし神は私たちの弱さや足りない所を超え豊かに祝福してくださる方です。もと駐在して い た 地 を 訪問し、実りを
祝う機会を与えてくださったことに心から感謝します(レポート:ローレンス・綾子さん)
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