2015年06月04日

【企業の取組み】火は消さずに灯し続けること(中京医薬品)


 中京医薬品(愛知県半田市)では、まだ企業のCSR(社会的責任)という言葉が広く浸透していなかった1994年当時に、独自の国際貢献活動「きずなASSIST(アシスト)」をスタート。以来「世界の子どもたちに健康と教育を」をテーマに様々な団体や学校、行政などと持続可能な働きへの支援を続けておられます。当機構に対しては東日本大震災での置き薬プロジェクト、ウガンダでの医療施設への支援などがあり、今年度は、ケニア・シープケア学校給食支援が行われます。きずなASSISTの取り組みについて山田正行社長にお話を伺いました。

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Q:きずなASSISTのテーマは「世界の子どもたちに健康と教育を」ですが、どのような願いが込められているのですか?

A:社会貢献といっても様々な分野があります。当社の事業規模を考えますと、継続という視点から分野は絞ったほうがよいと考えました。子どもに焦点を当てたのは、やはり「子どもは世界の、地球の宝である」ということです。子どもたちの笑顔は実にパワフルで大人やそこで暮らす人々にもよい影響を与えてくれます。応援をする私たちにとってもその笑顔は力ともなりますね。

Q:きずなASSISTは22年目ですが景気後退でも続けたのは? 

A:確かに財政的には厳しいときもありました。しかしローソクの灯ではないですが、こういう活動は一旦火を消してしまうとだめなんですね。たとえ小さな灯でもそれを消すことなく継続していけば現地の支えになることはあると思います。また一つの企業が小さな灯であったとしても継続していくなら、「うちでも社会貢献をしてみようか」という波及効果にもつながるのではと期待しています。そうした(継続支援の)支流がいくつも生まれてくればやがて大河になるのではと思います。

 この歳になると、「してもらう喜びよりも、尽くす喜び」への思いが強くなりました。支援させていただける喜びというのか、そういう思いが年々強くなってきました。

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【写真:㈱中京医薬品社長 山田正行氏】

Q:きずなASSISTのもつ意味は

A:企業活動で得た収益は法人税を国に納めるわけで、国はそれを公共事業や社会福祉などで国民生活に役立ていくわけです。ですから企業にとっての最たる社会貢献は事業で利益を上げることです。その過程で私どもが納める法人税を「このために使ってください」ということはできません。そういう観点から言うと、きずなASSISTは、ピンポイントでお金の使い方に私たちの思いを込めることができます。

Q:現地にも足を運ぶことによる効果は

A:これまでいろいろな国々に行きました。一番学んでくるのは社員です。自分たちがいかに恵まれているのかを実感します。人間にとって大切なことは「生き抜く力を得る」ことだと思います。それはテレビや本だけでは養われません。実際に足を運んで、そこで命がけで懸命に生きている人たちの姿にふれることは何よりの体験ですね。海外に行ってきた社員のレポートを毎回欠かさず読んでいますけれど、みなそこで考えて、学んでくるのです。1週間やそこらのボランティアで身につくのではなく、身につくのは戻ってきてから企業活動や自身の働き方、お客様や社員同士の人間関係の中で、海外訪問の経験が生かされてくるのだと考えています。

Q:ケニアの子どもたちにぜひ応援メッセージをお願いします

A:あなたたちが世界の宝物です。夢と希望と勇気をもって、その力を知って欲しい。それがみなさんの社会に光明を与えると信じてください。給食は、子どもたちにとって一日の唯一の食事になるケースも多いとのことですが、ぜひ頑張って欲しいと願っています。

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【写真:今年度支援するシープケア学校の子どもたち(ケニア)】

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