2015年02月13日
【フィリピン】サンアンドレス村での教育支援と生活改善(1)
キーワードは価値観の変革
レポート:酒井保駐在員
日本国際飢餓対策機構を通して皆さまのご支援を頂き、ハンズ・オブ・ラブ・フィリピンが教育支援と地域開発に関わって6年が過ぎました。フィリピンで子どもが学校に行けない大きな理由として貧困があげられます。しかし家庭の価値観の方がより大きな影響を与えていると私たちは認識しています。
限られた収入の中で、食費を削ってでも教育費をねん出するかどうか、ということです。増えた収入が教育費とならず、酒やギャンブルに消えてしまえば、子どもの教育環境は改善されません。そこで私たちは、コミュニティでの活動を考えるとき、それが価値観の変革にどうつながっていくかを常に念頭においてきました。
価値観変革へのアプローチ
外部の者が、フィリピンの教育の内容に直接かかわることができませんが、道徳教育だけは政府公認で外部の者がかかわれます。私たちは、地域の人々自身が子どもの道徳(価値観)教育にかかわってほしいと願い、そのためにボランティアを募って、週一回の授業の為の教材を提供してきました。しかしながら、ボランティアがそれを続けることができず、現在は中止となっています。地方では、人を指導できる人材の不足は都市部以上に深刻です。
一方で、私たちは貧しい地域の中でも特に貧しい家庭の子ども、そして教育を受けたいという強い思いを持っている子どもたちに学費を支援しています。そのために毎年テストを行い、その基準に到達した子どもを支援するようにしています。フィリピン人スタッフが、この方法が一番公平で支援を生かすことができると提案してくれたからです。
支援をしている子どもたちとはスタッフが定期的に会い、さまざまなアプローチをしています。何か問題があれば話し合いをして、どうしていけばよいかを子どもたちの視点で解決が図れるように助けています。
子どもたちの社会性の成熟
マンヤン人の子どもたちには、収穫前の食糧確保が一番難しい時期に給食を実施しています。その折に、みんな思い思いの場所で食べているのですが、やっぱり一緒に食べたい、と言うのでそのためにはどうしたらいいかを子どもたちと話し合いました。
子どもたちは、テーブルが必要なことに気付き、そのデザイン、材料集め、製作までをほとんど自分たちで成し遂げました。個人の問題ではなく、学校給食時の改善という半ば公的な問題に対して彼ら自身が取り組んだことは、スタッフにとっては大きな驚きであり喜びでした。
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