2015年01月09日
【フィリピン】都会の貧困を目の当たりにして(Manami親善大使)
当機構の親善大使Manamiさん(歌手)と小堀英郎さん(ピアニスト)が昨年11月に当機構の活動地フィリピンを訪問。今回はManamiさんの訪問記を掲載いたします。
親善大使の活動地訪問
ミンドロ島から帰る船が港に着く頃、小型の船で待機していた子ども達が私たちが乗っている船に移ってきて物乞いをはじめました。その中の一人の女の子はお父さんらしい人に背中を押されて船の後部へと周り、私の方へと窓から手をのばしてきます。彼女はまだ5歳くらいの可愛らしい女の子。いかにも悲しそうな目で私を見つめていましたが、私が何もできずにいるとさっと表情を変えてまた別の人のところに行きました。何回かそれを繰り返した後またお父さんらしい人の元へと裸足で戻って行く。そんな彼女の後ろ姿を見て本当になんとも言えない気持ちになりました。
墓石の上での暮らし...
また都会の中でも、貧困の著しい地域を訪問しました。そこはなんと大きな公営墓地。田舎からでてきたものの都会での生活が厳しくなったおよそ100家族以上が、平らな墓石の上で暮らしているのです。子どもたちは栄養失調で髪の毛の色が茶色くなり、手足は細くお腹がぷっくり出ている。
衛生環境の悪い中、地面に落ちている食べ物を平気で口にしています。目をふさぎたくなるような光景に私は顔をこわばらせていました。そんな私をじっと見つめる一人の裸の男の子。
彼になんと言葉をかけていいかわからず、私は口をつむってほんの少し笑みを浮かべるのに精一杯でした。
その時私はこう思いました。今ここで私たちがこの子ども達にお金や物を一時的に渡しても、貧困の解決には決してならないのだと。そして私が出会ったこの2人の子ども達は私をみて何を思うのだろう、と。
マニラにある「ユニカセ」というカフェのオーナー中村八千代さんは、このような子ども達を一人でも減らすために、ストリートチルドレンをそのカフェのスタッフに雇用して一人一人が自立できるようにライフ・スキル・トレーニングを行っています。今回私はそこでライブをさせていただきました。印象的だったのは、カフェのスタッフさん達は慣れない仕事も一生懸命こなし、私たちにお皿や飲み物をサーブする姿がとてもいきいきしていました。また私が歌っている間、台所の奥で八千代さんとともに満面の笑顔で踊っているスタッフのみなさんを見て、胸が熱くなりました。
「強制」ではなく「共生」を
「競争」ではなく「共創」を
どんな状況であっても共に時間を過ごし、共に分かち合い、共に生きていく、これこそ神様が私たちに与えた最高の喜びであり、恵みなのだと気づかされた一場面でした。このフィリピンツアーは、私の未来の選択肢を広げる機会となりました。(文:Manami)
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