2013年12月18日

政府から見放された...サマール島サンタリタ(吉田報告)


 当機構の活動拠点のセブ島から16日にレイテ島にフェリーで入って酒井とともに救援物資の配布活動を続けている吉田から報告が届きました。

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 配布は日本から空輸したパンの缶詰4500缶(約9千食分)と水フィルター約300家族分をチャーターしたトラックに乗せてレイテ島のタクロバン、タナウアン、サマール島のマラブット、サンタリタ、ヘルナニ、バセイなどで16日から20日までの日程で行っています。配布に際しては、現地パートナーのフィリピン国際対策機構、フィリピン福音自由教会などが救援活動を実施している地域を中心に実施しています。これは物資を着実に被災者のもと届けるためでもあります。これらの現地パートナーは地元行政とも協力関係を構築しており、今回はサマール島バセイ市役所やヘルナニ市にも支援物資を届けました。

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サンタリタで届けた水フィルターの使い方を説明する酒井、右はヘルナニで配布活動中の吉田

 その一方でサマール島サンタリタ市では、これまでに政府による支援が一度も行われていないという驚くべき実態を知りました。その理由は、台風被災直後にレイテ島タクロバンで起きた物資の奪い合いによる暴動に「サンタリタの住民が関わっていた」という政府見解がだされ、「サンタリタに対しては物資の提供や救援活動は行わない」との決定がなされたということです。
 そのためなのか被災後、赤十字すらこの地域での救援活動をしていないようです。レイテ島タクロバンとサマール島サンタリタは陸上ルートで比較的近く、市民の交通手段であるジプニー(小型の乗り合いバス)でタクロバンとサンタリタを結ぶ路線もあります。暴動が起こったとき「ニュース映像にその路線を走るジプニーが映っていた」というのが政府の判断にも影響を与えたともいわれています。
 しかし、仮にサンタリタのごく一部の住民がその暴動を扇動したのだとしても、政府が市全体への支援を中止するという判断はあまりに常軌を逸脱したものと思えます。こうした中で当機構とともに救援活動をしている牧師のマーロン氏は、「政府から見放されたサンタリタで地元行政とも協力しながら支援していきたい」と語っていました。今回当機構もパンの缶詰約700缶(約1400食分)と水フィルター120家族分を提供しました。
 物資配布は、サマー島のヘルナニ市(すでに市長とも協力関係構築)や国際飢餓対策機構フィリピンが医療支援を続けているバセイでも実施します。
 クリスマスを迎えたフィリピンの人々に引き続き温かい応援をお願いいたします。

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