2013年07月01日
【フィリピン】子どもたちの小さな変化という第一歩
5月下旬には世界里親会の支援先である、フィリピン・ビコール地方のスラ、マトノグ地区、そしてミンダナオ島ティボロ村の3か所を訪問してきた碓井スタッフの報告です。
今回は、訪問地の一つティボロ村にあるアポセンターについて報告させていただきます。アポセンターの働きが始まって3年目になりますが、その原点は字が読めない村人が町に行っては騙されて帰ってくることに心を痛め、教育の機会が与えられるように願った牧師の祈りです。
首都マニラから約2時間の空路でミンダナオへ、さらに陸路を約3時間行ったところに、アポセンターはあります。まず降り立ったミンダナオ島ダバオ市は、整備された道路を走る日本車、建ち並ぶ商店、大規模なショッピングモールなど、車窓から見える風景は私が住んでいる所と比べて大差はありませんでした。
しかし、そこからアポ山中腹にあるティボロ村を目指してほんの1時間ほど走ると景色は一変します。目の前に広がる南国の木々、プランテーション農園のバナナの木々、わだちが残るデコボコ道を登る途中には、馬に乗って移動する人にも出会いました。
私たちがティボロ小学校に到着するとすぐに、子ども達が走り寄って来て小さな手を差し出し握手を求めてきました。その手を握ると私の手を額につけて、「マガンダン ハポ(こんにちは)」と屈託のない笑顔で挨拶をしてくれました。翌週に新学期のスタートを控え、学校はまだ夏休みでしたが、私たちを歓迎する集会を開いてくださり、子どもたちによるダンスパフォーマンスや聖書の中に出てくる「善きサマリヤ人」の劇を披露してくれました。集会の最後には、先生が一人一人の名前を呼んで里親会からのプレゼントを手渡し、子ども達は嬉しそうに受け取っていました。
【写真:里親会からのプレゼントを受け取る子ども達(左)、家庭訪問の様子(右)】
子どもの成長を喜ぶスタッフ
午後からは、2人の里子の家を訪問しました。そのうち1人の家は大人の足でも30分程かかる、険しい急な斜面を下った所にあり、毎日この道を歩く里子の生活の厳しさを体感しました。そして夜には、スタッフから里子の様子を聞くことができました。里親会のスタッフは皆、住みなれた故郷を離れ、この村で生活している青年達です。「怖がっていたが心を開くようになった」「落ち着きがなかったが集中するようになった」「悪い言葉を使わなくなった」「自信を持てるようになった」「活動的になった」等々、停電していた中だったのですが、非常灯をともす暗がりの中で里子について語るスタッフの顔は明るく輝いて見えました。
子ども達の中にすでに起こっている小さな変化の数々は、やがてティボロ村の大きな変革へとつながって行くことが期待できます。しかし、それが実現するためには、子ども達の家庭、教会、里親会のスタッフを含む地域のリーダー、そして日本から支えてくださる里親の皆様、そして当機構、それぞれが愛をもって役割を果たしていくこと、そして互いの結び目がしっかりと結ばれていくことが肝要です。そのためにも「見たこと」「聞いたこと」をしっかりと伝えなければならないという思いを強くしました。
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