2011年04月16日
失われる雇用機会と生み出される雇用機会
(清家弘久 JIFH緊急支援リーダー)
当機構が米国の救援組織サマタンズパースと共有している仙台市泉パークタウン内の物資倉庫(4月末で閉鎖、移転予定)には、連日のように地元のボランティアもかけつけ仕分けや荷物の出し入れの応援をいただいている。(町内会からもボランティア応援がある)そこに来ていた母娘に少し話しを伺う。
「(母)デパートで石巻の魚の加工食品の販売を担当していましたが、製造元が被害にあっていまは売る商品もなくなり、自宅待機をしています。まだ解雇にはなっていませんが仕事復帰の目処はありません。そんな私に高校生の娘は、私学校やめようか。これからの生活大変だし・・、といいます。でも今は私立も無償化だし、働くといっても学生アルバイトの口なんかないんだから学校は続けなさい、と言っています」「(母)そんな私たちなのですが、もっと苦しい中にある人たちのために役に立ちたいと思ってここでボランティアをさせていただいているんです」
地震とその直後に襲った津波により、多くの命や財産が失われた。どれだけ多くの人々がいつくのもの苦しみを抱えていることか、その中には、この母子家庭の親子のように生活基盤が大きく揺らいでいる方々も多いことだろう。母と子で明日をどう生きていくのかが見えない中で、それでも「人の役に立ちたい」との熱い思いでかけつける方々に頭が下がる。
その一方で希望を感じさせる話もある。今回、当機構の支援活動を熱血社長のもとで企業ぐるみで応援続けているロングライフホールディング(関西を中心に有料老人ホームなどを大々的に展開)という介護サービスを展開する会社がある。4月初めには、2500人の社員のカンパで集めた120万円で4トントラック満載の物資を届け、今週は8人のボランティアを送り出し、仙台市内や気仙沼で2000食を越える炊き出しサービスを行った。その企業の遠藤社長は自分の目で被災地の状況を確認するや「この地で人々の働く機会を提供したい。介護事業を行う会社を仙台に立ち上げて、認可を受けたら3年で300人を雇用したい」という事業計画を即断。この話はすでに朝日新聞が取り上げた。
遠藤社長いわく「仙台に来た2名の女性社員はここで骨をうずめる覚悟で来たんだ」とのこと。雇用の創出、持続可能な支援ともいうべきアクションが雇用機会が激減した被災地で生まれようとしている。創造的な発想で地域の再生を応援しようとする企業にひとつの希望を見いだした。
そして当機構も、仙台市内に常設事務所を設置すべく準備を進めている。
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