11月5日は「津波防災の日」「世界津波の日」でした。東日本大震災を教訓に津波対策が推進され、内閣府ではその前後の期間において、津波防災の意識の向上と適切な避難行動の定着に向けて、「津波防災の日」スペシャルイベントを開催するとともに地方公共団体と連携した地震波防災訓練が実施されています。
沖縄県でも県内各地で避難訓練が実施されています。少しずつ人々の意識も向上しつつあるように思えます。
【画像:内閣府(防災担当)より】
一緒に津波防災について考えてみたいと思います。
沖縄県は毎年、台風が襲来する地域で台風には慣れており、備えもバッチリ出来ています。
(ここ数年、本島への直撃する台風がないことが気になるところではありますが・・・)
しかし、地震となると、震度3程度でもうろたえてしまいます。いざというときのために地震の知識や日頃の備えが大切になってきます。
日本列島の南西部に位置する沖縄は、沖縄諸島や先島(さきしま)諸島、大東島などの大小の島々からなり、南北400㎞、東西100㎞もの広大な海域に広がっています。九州と台湾の間1100㎞にわたり、東南方向に張り出して弧状に連なる琉球列島の一部です。フィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む場所にあたる「琉球海溝」と東シナ海側の「沖縄トラフ」に挟まれており、東シナ海側には火山列があります。
*トラフ(trough)とは、細長い海底盆地で、深さが6000mより浅いもの。舟状海盆(しゅうじょうかいぼん)とも。細長くないものは単に海盆と呼び、深さ6000mを超えるものは海溝(trench)という。
地震には大きく分けて、①海溝型地震 ②断層型地震 ③火山性地震 の三つがあります。
沖縄県に被害を及ぼす地震は、主に南西諸島海溝付近などの海域の地震と、陸域や沿岸部の浅い場所で発生する地震と、沖縄トラフ沿いの浅い場所で発生する地震のようです。(地震本部による)
過去の大きな被害は、海溝南部付近にある沖縄県の先島諸島(八重山・宮古)で、1771年に「明和の大津波」に襲われ約1万2千人が犠牲になっています。
2018年、琉球大学や名古屋大学などの研究チームによる沖縄本島南東沖の琉球海溝沿い(海底2地点)の調査で、少なくても長さ130㎞、幅20~30㎞に及ぶプレートの固着域(アスペリティ。実際の地震ではこのアスペリティの領域が周囲と較べて特に大きく滑り、強い地震波を出すとされている)があることが明らかになった。と報告されています。このことから琉球海溝沿いの地域(沖縄を含む南西諸島)においても南海トラフ沿いの地域などと同様に巨大地震や津波が繰り返し起こる可能性があることが指摘されています。
日本では頻繁に地震が起こっています。そして近年に起こるかも知れないと言われているのが、「南海トラフ地震」です。駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として概ね100年~150年間隔で繰り返し発生してきた大規模地震です。前回の南海トラフ地震(昭和東南海地震1944年)、昭和南海地震(1946年)から約80年近い年月が経過した現在、次の南海トラフ大地震が近年中に起こる可能性が高いというのです。
南海トラフでは、愛知県、静岡県、大阪府が特に被害が大きいと想定されているようです。
プレートの模型図
【画像::気象庁より】
*「南海トラフ」とは、駿河湾から遠州灘、熊野灘、紀伊半島の南側の海域及び土佐湾を経て日向灘沖までのフィリピン海プレート及びユーラシアプレートが接する海底の溝状の地形を形成する区域。
では沖縄県は安全なのでしょうか?
南海トラフの南側には、より深いプレートの溝である「琉球海溝」が沖縄の南を通り、台湾付近まで伸びています。そしてその「琉球海溝」は「南海トラフ」と一つに繋がっていると言われ、
この「南海トラフ」と「琉球海溝」が連動する超巨大地震の恐れがあると専門家から指摘されているのです。
南海トラフ

【画像:気象庁 大阪管区気象台 南海トラフ 地震特設ページより】
南海トラフと琉球海溝
【地図:Googleマップより 一部加筆】
なんと、沖縄県内の16市町村(名護市、糸満市、豊見城市、うるま市、宮古島市、南城市、国頭村、東村、与那原町、渡嘉敷村、座間味村、南大東村、北大東村、伊平屋村、八重瀬町、多良間村)が「南海トラフ地震防災対策推進地域」に指定されています。
今、一度、津波防災について学び、いざというときにどのように行動すべきか、備える必要があります。
あなたの住んでいる地域は?職場は?お子さんの学校は?ご両親は?
ハザードマップの確認をしましょう。しかし、何処で地震・津波が起こるのかわかりません。
先日ハンガーゼロ・親善大使のゴスペル亭パウロさんが防災落語を通して、地震が起こったとき、トイレの中の場合、お風呂の場合の対応や、備蓄品等についてなど、分かり易く伝えてくださいました。
講演会やセミナーとタイアップし一緒に考えることができるなら!と思いました。
大切な人を守るために、今、できることを!
【避難のしかたの心得(国土交通省より)】
1) 避難は揺れがおさまってから
2) 海や川の近くにいる場合は、すぐに高台や3階以上の建物に
3) 避難する際は、頭を守り徒歩で
4) 隣近所にも声をかけて、みんなで避難
5) 災害時の必需品は忘れずに
6) 避難場所へ移動中は、山崩れや落下物に注意
7) 避難場所についたら、津波がおさまるまで待機