2013年6月に当機構親善大使の森祐理さんが南三陸町伊里前(いさとまえ)小学校を訪問し、
歌のプレゼントをしてくださいました。
この時は、子どもたちもよく知っている「ドレミの歌」や「小さな世界」などを披露。
祐理さんは子どもたちに、自分も18年前の阪神淡路大震災で仲良しの弟さんを亡くされた経験を話し、
神戸の小学校教員である臼井真さんが作詞・作曲された「しあわせを運べるように」を歌いました。
祐理さんが歌を歌い始めると、子どもたちが自然に声を合わせ始めました。
まさかこの歌を子どもたちが知っているとは思っていなかった祐理さんはびっくり。
後から伺ったところ、前年の学習発表会の際に、全校生徒で「しあわせ運べるように」を合唱したのだそうです。
予期せぬサプライズを子どもたちから祐理さんがもらった形で、南三陸を後にしました。
その森祐理さんは、2010年から「阪神淡路大震災1.17のつどい」で、「しあわせ運べるように」を歌われています。
2014年の式典にも歌を歌うことが決定した際に、南三陸町伊里前小学校の子どもたちの歌声を思い出しました。
2年8か月を経ても震災の爪痕は簡単に癒えることがないことを、祐理さんご自身が一番よく分かっておられます。
しかしながら、苦しみから一歩前に踏み出し、生かされた『自分』にしかできない役割が与えられていることも知っています。
(祐理さんにとっては「歌う」ことです。)
東北の震災を受けた子供たちと神戸の震災を受けた方たちが心を1つにして、今の苦しみを未来の希望に変えていくことができればと願い、子どもたちの歌声を神戸の街に響かせることになりました。
一緒に歌を歌ってくれた伊里前小学校を11月18日に訪問し、3学年、4学年の子どもたちの歌声を録音しました。
突然のことで緊張の面持ちの子どもたちでしたが、一生懸命に歌ってくれた「しあわせ運べるように」は、
南三陸と神戸の街を強い絆で結びあわせてくれることでしょう。
どうぞ1月17日には、神戸、東北だけでなく、全世界の震災犠牲者の方々を覚えていただけますように。
(東北事務所 加藤)