紫陽花が雨露に濡れて風情を醸し出しています。
梅雨明けは少し先になりそうな東北です。
今年の2月にプレハブの支援要請をいただいた、仙台市若林区にある
㈱荒浜アグリパートナーズさんの"その後"を見学に行きました。
2月には、やっとビニールハウスの骨組を建てる
ことができたので、これから少しづつ作業を進めて
いきますとのことでした。
【待望のプレハブが到着(2013年2月)】 【春の種蒔きに向けて準備開始(2013年2月)】
当日は朝から小雨。肌寒さを感じるほどです。
少し遅れて到着したのですが、他のボランティアさん
たちは、すでに作業を開始していました。
津波を被った水田は、塩害の影響で、稲を植えることが
できません。
2年かけて除塩した水田では、今年、震災後初めて稲を植えています。
この稲を秋に収穫し、塩の影響が
あるかないかを確かめてから、本格的に
稲作の再開ができるかどうかを見る予定です。
アグリパートナーズの皆さんさんは、津波で農地は
だめになったけれども、このまま何もしないでいるよりも
できることをしようと、2011年6月に、塩害にも強い綿花を
瓦礫撤去が終わった水田に植えました。
今年で3度目の種まきです。
オーガニック栽培なので、綿花とともに、雑草もグングンと
成長していきます。
そのままにしておくと、雑草に遮られて肝心の綿花が
育だたないので、秋の収穫までに何度か雑草抜きを
しなければなりません。
一面緑に覆われた中から、小さな綿花苗を見つけ出し、
周辺の雑草を抜いていく作業を続けていきます。
本当に地道な作業です。
【広大な畑の中で苗を見つけるのはまるで宝探し】 【苗の周りだけ抜き取れば後は機械で刈り取ります】
腰も痛くなります。
指先も麻痺してきます。
爪に土が入り痛みを感じます。
雨に濡れて寒くなってきました。
でも雑草を抜いて、顔を出したハート型の苗は、
息苦しさから解放されて、「ありがとう」と
語りかけてくれているみたいでした。
今回は綿花でしたが、初めて農作業を経験して
農家の方々がどんな思いで、農作物を育てているのか
が少しだけ分かった気がします。
【5月に植えたネギ】 【ビニールハウスにはトマト、きゅうり、ナスが栽培されています】
いつも何気なく食べている食べ物が、
たくさんの人の手を経て、食卓に上がっているのだと
知ることができました。
本当は、食べ物があるのは当たり前じゃないんです。
目の前に食べ物があることを感謝すること。
次に、食べ物がない人のことを考えること。
そして、食べ物がある私たちが、食べ物のない人たちに
何ができるか考えること。
私たちが『日ごとの糧を与えてください。』と祈る時に、
彼らにも『日ごとの糧』が必要なんだと思い出してください。
小さな種が大きな収穫を生み出すように、小さな一歩が
大きな変化を生み出していくのです。
それはからし種のようなものです。地に蒔かれるときには、
地に蒔かれる種の中で、1番小さいのですが、
それが蒔かれると、生長してどんな野菜よりも大きくなり、
大きな枝を張り、その陰に空の鳥が巣を作れるほどになります。
【マルコ4:31-32】
㈱荒浜アグリパートナーズのコットンを使用した
製品は、東北コットンプロジェクトのサイトをご覧ください。
http://www.tohokucotton.com/