サイト内検索 powered by Google

世界食料デー2009

子どもニュース
JIFH Mobile Site
QRコード
モバイルサイトはQRコードから
www.jifh.org/m/

作品名:Abandoned(断ち切る)  

このキャンペーンは、女の赤ちゃんを中絶することが多い北インドにおいて、「女児が差別されることなく、すべてのこどもたちが、与えられている大切な人生を生き、その潜在能力を活かしていくことができる社会」を目指して、2008年1月より始められました。

悪慣習が引き起こす女の胎児中絶

「中絶」はどの国においても悲しむべ き問題ですが、インドでは特に「女の胎児」が中絶されており、社会問題となっています。インドの首都ニューデリーでは、5人に1人の女の胎児が中絶されていると言われています(「悲しむべき数字」*1)。その背景にはインドの悪慣習「ダウリー(*2)」が関係しています。

 

学生によって作られたポスター
学生たちによって作られたキャンペーンポスター

「ダウリー」とは、そもそもは結婚時に女性が新生活に備えるために女性の家族からもらう贈り物、あるいは財産分与であったものですが、今日では男性側が女性側に課す多大な要求と変容してしまっています。

学生によって作られたポスター
学生たちによって作られたポスター

 

 

ダウリーの金額は、男性の地位や仕事、家柄などによって計算され、現金と共に、宝石や金、その他高価な物品(車や冷蔵庫、テレビなど)で支払われます。もし約束の金額を用意できないと、女性は嫁ぎ先でいじめを受けたり、時に死に追いやられることもあります。ダウリーの強要は現在では違法ですが、男性側にとっては有益であるため、人々の中に悪慣習として根付いています。この重荷のために女児の誕生はその家族の「大きな負債」とみなされ、女の胎児中絶を引き起こしているのです。

*1:悲しむべき数字

*2:ダウリー(ダヘーズ)について

イギリスの医療雑誌Lancet2006年1月号では、過去20年間にインドでは、1000万人以上の女の胎児が中絶され、1年間に少なくとも50万人の生まれるはずの女の赤ちゃんがいなくなっていると報告されている。
過去20年間にインドでは1000万人以上の女の赤ちゃんが中絶されている
ダウリーは花嫁側に求められる多額の結婚持参金制度のこと。1961年に禁止法が制定されたにもかかわらず、インド全域にいまだ色濃く残る習慣である。
最近では要求される金額は上昇傾向にあり、花婿の年収の数十倍もの高額のダウリーを要求されることもある。この要求は結婚後も続くこともある。ダウリーは娘を持つ家族にとっては多大な負担になり、そのため女児の誕生が望まれず、胎児が女の子とわかった時点で中絶する人も多い。
*既婚女性のうち37.2%が夫からの暴力を受けたことがある(政府の調査結果より)
*要求された額が支払えず、花嫁やその一家が自殺をするケース:毎年6~7000件程度発生
*インドでは胎児の性別検査は禁止されている

あらゆる分野の人々が社会に働きかける

インド社会において人間としての権利といのちの尊厳が回復されることを願って、この「女の赤ちゃんを守れキャンペーン」が始まりました。中心となっているのは、インド人によるインド人のための現地NGO「ソルト・イニシアティブス(地の塩グループ)」です。インド社会にインパクトを与え、社会を変革していくために、医療従事者、学生(主に高校生や大学生)、アーティスト、人権団体や活動家、教会を対象に、様々な働きかけをしています。

女子大学での講演会
女子大学での講演会の様子。講演者は、自分の姻戚と病院側が不正に胎児の性判別を
行ったとして、女性として初めて訴訟を起こしました。講演の中では、家族から中絶の圧力
を受けながらも、双子の女児を出産した彼女の経験が話されました。参加した700 名の生
徒たちの多くが「胎児たちを守るために、何かしたい」との思いを表明しました。


キャンペーンがスタートして2年目の今年2009年には、これまでよりも多くの大学や病院、教会などでキャンペーン活動を行っていこうと計画しています。またミュージシャン対象のワークショップを通して音楽CDを製作し、それらの歌を通して、より多くの人々に、女児のいのちの尊厳を訴えていきます。

女児の命の尊厳を訴える
女の赤ちゃんを守り、インド社会を変革するために

様々な歌が作られ、インド社会で歌われました。

女児の命の尊厳を訴える
「娘の人生には、いつも涙の雨が降る」という歌では、最後に
「私たちは、娘の人生をすべての面で励ましていこう。娘は、
決して息子に劣らない。娘も息子も平等の価値がある」
と締めくくられています。
ラージ・モンドールさん

ある朝、私が出勤する途中に、非常に強いイメージが私自身に迫ってきました。それは、生まれる前に殺された数知れない女の赤ちゃんの血のイメージです。

私は、インドで起こっている女の胎児中絶のことを聞いていましたが、この時はっきりと、「この悪習は、現在のインドの重い罪であり、インドという国が祝福されるために、私たちは何かをしなければならない」と強く迫られたのです。

私はあなたが昨晩何をしたか知っている
画家などの芸術家を対象としたワークショップが開かれ、
女の胎児中絶といのちの尊厳をテーマにした作品が創作されました。
写真の作品タイトルは「私はあなたが昨晩何をしたか知っている」。

私は、数世紀前にインドにやってきたイギリス人の宣教師ウィリアム・ケアリが、当時、夫の火葬時に未亡人が生きたまま一緒に焼かれる「サティ」という悪習を変えるべく、その人生を賭したことを思い出しました。同じように、現在のインドで、女の赤ちゃんが「人」としての尊厳を与えられていないありさまは、今の時代の最も深刻な問題であることを確信したのです。


女の胎児中絶といのちの尊厳

私はさっそく、自分の友人や仲間にこの思いを伝えました。そして、この問題を多くの人に伝えるために、まずアーティストたちが立ち上がったのです。

 

歌手は歌をつくり、画家は絵を描きました。また既にこの問題に取り組んでいる活動グループとも協働し、大学内で学生たちを中心にした「女の赤ちゃんを守れキャンペーン」を行うこともできました。

 

インド最大の保健を専門とするNGO「インド・プラン」のナリニ・アブラハム博士にもお会いし、多くの助言をいただきました。博士は、国会議員や地方の政治家を通して、6年間に数百万ルピーを投じて「女の胎児中絶反対キャンペーン」を実施した人物ですが、博士はこれらを通して、インド社会に「性別を越えたいのちの大切さ」という基本認識は与えることができたと考えています。しかし、人のこころのもっともっと深い部分が、これからも変革され続けていく必要があります。
私たちはこれからも、医療従事者や学生、芸術家、教会、そしてさまざまな団体と協働して、インド社会を深い部分から変革し、インドが祝福された国となっていくように働いていきたいと願っています。

学生たちによるポスター

皆様もこの働きをご支援ください!

日本国際飢餓対策機構は、この働きを通して、インドにおいて、人間としての権利といのちの尊厳が回復されることを応援しています!
お寄せいただいた募金は、このキャンペーンを行っていくためのインドでの広報活動やスタッフ活動費などに用いられます。

募金をお送りの際には、振込用紙に「インド 女の赤ちゃん」とご明記ください!

 

振込先