2014年08月08日

【ルワンダ】一人ひとりの子どもに見る希望


復興 20年目の現状

 4 月 7 日、ルワンダは大虐殺の悲劇から 20 周年を迎えました。この20 年間の復興を"奇跡"と多くのメディアは称賛し注目しています。これまで政府が達成した業績のうち、教育分野では、貧富の差に関係なく初等教育へのアクセスができるようになり、2011 年には全人口の20%にあたる子どもが小学校に入学しました。さらに、2009 年に政府が中等教育の無料化を導入したことに伴い、中高等学校への入学者数は 2012 年までにほぼ 2 倍になりました [ 注 1]。

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 一方で、初等教育の全課程を終了せずに学校を離れていく生徒の割合は 45%にものぼり、そのほとんどが貧困層の子どもです。学校教育への門は開かれましたが、その継続が大きな課題となっています。2005年から 2010 年の間で初等教育の過程を 6 年で修了できた貧困層の生徒数の割合は貧困層全体の 58%でした [ 注 2]。

 学校に行かなくなった青少年たちは働く機会を探しますが、彼らが得られる仕事は、路上での物売り、荷物運び、バイクタクシーの運転手、土木作業員、畑での労働といった、低賃金で不安定な職種に限られます。

 貧困が壁となって勉強を続ける機会を失う子どもたちが多くいること、たとえ職を得たとしても、日々の努力が報われずに経済的な貧困の中でやり切れない思いをしている多くの若者がいること、そしてその 8割が農村部にいることが、復興 20年目の現状です。 しかし、実際に学校に通っている子どもたちから教えられるのは、このような困難な状況の中でも熱心に生きる姿勢です。

農村部の小学校を訪問

 5 月の末に農村部の公立小学校を訪問する機会がありました。そこは JIFH のパートナー団体の FH Rwanda(飢餓対策機構ルワンダ)が支援する地域で、舗装された道路から 1 時間半ほど上ったり下ったりした山奥にあります。その村で暮らす人々は傾斜地の畑にキャッサバ芋やサツマイモ、バナナ、マメなどを植えて自家消費し、余ったものを市場に売っています。教育や医療へのアクセスは困難で、村に共同の水汲み場がありますが、水道・電気はありません。僻地にも関わらず、小学校には 890 人もの生徒たちが午前と午後に分かれて勉強しており、1 年生は 296 人が在籍している一方で 6 年生は 45 人でした。6 年生の教室では、すでに高校生くらいの体つきをしたような生徒たちも勉強していました。

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【写真右:FHルワンダが支援している里子の家族/写真左:染物をする里子の母親】

 前述したルワンダの小学校の一般的な傾向のように、この地域でも勉強を続けることは困難で、6 年生になるまでに学校を離れる生徒がおそらく全国平均以上に多くいるのかも知れません。それでも、様々な家庭の問題を抱えながらも学校に通い続けている現在の 6 年生 45 人は地域にとっての希望なのではないかと思わされました。

 1 年生の教室を訪問すると、ほとんどの生徒が小さな布製の袋を首からぶら下げたり、背負ったりしていました。袋の中にはノートが一冊入っていて、複数の教科をその一冊に書き写すのだそうです。どこに行ったらノートが買えるのだろう、というような山奥の村で、一冊のノートを子どもに持たせてくれる人がいて、そしてそのノートを入れるための袋をこしらえてくれる家の人がいるのだろうと思いました。こういう、小さいけれども大切な行為を通して地域の人たちは教育に希望を託しているのかも知れません。

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【写真:農村部の小学校の授業の様子】

ピース国際学校にて

 JIFH が里子支援をするピース国際学校は創設 4 年目の私立小学校です。学校には学費を払うことができない貧困層の家庭から来ている子どもたちと学費を払える家庭の子どもたちが一緒に勉強しています。

 そういう様々な家庭環境の違いを超えて、子どもたちが日々成長していることを私は身近に接する中で発見することができます。

 貧しくて授業用のノートを持たせてもらえず、授業中ボーっとしている一人の生徒の姿を私はよく目にしていました。ある日、その子が宿題用のノートを取り出して授業の課題をしていたので覗きに行ってみると、周りの生徒と同じようにしっかり課題をこなしていたのです。授業中、ノートを持っていないなりにも、授業を理解しようとしたり、周りのクラスメートから学んだりしていたのだと思い、感心しました。また、別の生徒でいつも積極的に授業に参加している聡明な子がいました。最近になって、彼女のお母さんはHIV/AIDS で身体がすっかり弱くなっていることを聞きました。家庭環境と勉強への態度は相関関係にあるという先入観を持っていたので、彼女の積極さと家庭の事情のギャップに驚かされました。

 物質的な充実とか、家庭環境の困難さとかを超えたところで、自分なりに学ぼうとする積極的な姿勢が人を成長させることを、この子たちから学ばされています。

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【写真:JIFHが支援しているピース国際学校の子どもたち】

 日々の苦しい生活を強いられている人々にとって、「希望」という言葉は軽々しく響くように感じます。しかし、毎日元気に生きている一人ひとりと接すると、たとえ困難な現状にあっても希望はあるのだと、希望はこの子たち一人ひとりなのだと思わざるを得ません。だから、私たちは現状を悲観するところで留まらず、小さな一人ひとりに希望を見て、毎日を熱心に生きることが求められているのだと思います。

(報告:ルワンダ駐在東アフリカ担当 河合朝子)


〈参考文献〉
注1.Ministry of Education (2013)
Education Statistics yearbook
注2.UNESCO (2012) EFA Global
Monitoring Report

 世界里親会では、現在バングラデシュ、ウガンダ、ボリビア、ケニアでチャイルドサポーターを募集(グループでの支援も可)しています。里子1人につき月4000円です。ウエブサイトから申込み、クレジットカードもご利用できます。

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