2014年04月07日

【フィリピン】台風緊急支援ボランティア参加者レポート①


 日本からボランティアチーム(JIFH吉田知基ら12名)が1月17日~24日、1月31日~2月8日の2度にわたってレイテ島タクロバン市を訪れ、現地で支援活動を行っている「ナビゲーター・フィリピン」の炊き出しの手伝いや美容師さんによるヘアカット、ウタップ小学校(生徒数約500人)での特別授業を行いました。この学校は一部の教室が台風によって破壊されたため、午前と午後の入れ替え制で授業をしていました。生徒たちの多くの家が全半壊しましたが海岸沿いに比べて被害は少ない方で、かえって支援から取り残された状態でした。第1回目のチームに参加した小笹霞さんのレポートをお送りします。

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困難の中での笑顔に励まされて

 私たちが到着したレイテ島タクロバンの空港は電気がなく、真っ暗な中でのスーツケースの受け取りとなりました。屋根はトタン屋根を使用している箇所が目立ちました。スーツケースを運ぶ機械も機能しないので、係員の方々の手で行われていました。台風から2ヵ月以上が経っているのに、その爪痕は町全体に残ったままでした。

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 滞在場所への移動中、海沿いを車で走りながら見た光景は、折れて粉々になった木々と国連やNGOからの避難用テントの数々、そして全く片付いていない瓦礫の山でした。こんな所に人が住んでおられるのだと思うと、心が痛みました。フィリピン政府によると、今回の台風被害の死者は6,268人、行方不明者1,061人(3月14日現在)と発表されていました。しかし、政府は身元確認などを行っているわけではなく、実際に亡くなった方々の数は、さらに多いとも言われています。身元確認をすることなく埋められている遺体もたくさんあるそうです。

 子ども達はとても元気に遊んでいましたが、実際、食べ物は非常に少ないので、皆が栄養失調だということを聞いたとき、本当にショックを受けました。子ども達は、表には出さないですが心の中には辛い思いを各自抱えています。少しでも子ども達の心に寄り添える支援が必要だと再確認しました。

子どもの描いた絵に言葉を失う

 ウタップ村の小学校では、日本で準備をしてきた人形劇、紙芝居、歌にダンスなど子ども達を楽しませるイベントを行いました。その中で、「日本にも津波が来て大変な時期があったよ。この時の日本と今のフィリピンは、同じ状況だよ。この津波が来たとき、フィリピンの人たちも日本を助けてくれたんだよ」という話をし、日本の14歳の女の子が書いた作文の一部をフィリピンの子ども
達の前で紹介しました。すると、笑顔でいた子ども達の中に、涙を流す子が何人かいました。津波が来て、瓦礫だらけになった東北の写真を見て、「今のタクロバンと一緒だ」という子ども達もいました。

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 その後子ども達に今回の台風の中で見たものを絵にしてもらいました。(※心のケアプログラムとして、現地スタッフ、学校教師と話し合って行いました)グループに別れてもらい、クレヨンを1ケースずつ配りました。するとどのグループも青色の取り合いにな
りました。そして、青を取った子は、みな溢れる水を連想させる絵を描きました。私の中で猛烈に印象に残っている絵があります。それは、子どもの遺体を抱いた大人の絵です。(その絵には、子どもの遺体だけでなく、他の大人の遺体も描かれていました)。その男の子は絵の中の遺体を指さして、「パタイパタイ」と言っていました。パタイとはワライ語で、死体を意味しています。大人の私でも、絵を見るだけでも非常に恐ろしい光景なのに、こんな小さい子ども達がどれだけ恐ろしい思いをしたのか...私は絵を見ていて、涙をこらえるのに必死でした。

"ありがとう"から生まれる力

 また私はタクロバンの人たちに本当に大切なことを教えていただきました。それは「感謝」の気持ちを相手に伝えるということです。ある時ボランティアチームの誰かが「ありがとう」という言葉を、子ども達に教えました。すると、その日からだんだん「ありがとう」という言葉が村のあちらこちらから聞こえてくるようになりました。やがて大人へも広がり「ありがとう!ありがとう!ここに来
てくれてありがとう。私たちを助けてくれてありがとう。私たちの為にあなたの時間を使ってくれてありがとう。炊き出しを持ってきてくれてありがとう、美味しいよ。一緒に遊んでくれてありがとう。私達に素敵な時間を与えてくれてありがとう。」と、たくさんの「ありがとう」を村全体から聞きました。目頭が熱くなりました。この言葉を聞き、皆の笑顔を見たとき、私は心底「来てよかった」と思いました。改めて、"人の為に尽くすということがどれだけ楽しくて、嬉しいのか"を再確認することが出来ました。そして、"ありがとう"という言葉は人を幸せにし、人と人とをつなぐ不思議なパワーがあるということを学びました。

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次は私たちがしてあげよう

  タクロバ ンに あ る 教 会 の 牧 師さんの話で、私の 信条にしたいと思う言葉がありました。「Pay it forward」。Pay it Back(お返しをする)の反対語として、牧師さんは使っていました。これは、"自分たちがしてもらった嬉しかったことを、次は私たちがほかの人にしてあげよう"という意味です。そして、その愛の輪を作っていこうというメッセージです。タクロバンは、まだ被災して間もなく、厳しい生活を強いられている人がほとんどですが、前向きに物事を捉え、前進して行こう!という姿に非常に心打たれました。私たちは少しでも被災者の方々を励ますことが出来ればいいなぁと思いボランティア活動を行っていましたが、逆に私たちが励まされ、学ばされることが本当に多くありました。

 しかしここには助けを必要としている方が沢山おられます。私がタクロバンで見てきた光景をもっと多くの人に伝えていきたいですし、国際協力団体でのボランティアも続けたいと考えています。これらを通して、日本から私に出来る支援を今後も行い、タクロバンとの関わりを続行したいと思っています。

(報告:ボランティア小笹霞)

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【フィリピン台風復興支援ボランティア第一回チーム活動の様子】

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