2013年01月08日

【ケニア】ナイロビ郊外のスラムで暮らす里子の1日


 当機構はケニアのシープケア学校で、世界里親会による里子支援を昨年から開始いたしました。教育を通して、地域変革が進められていくことを信じて日本の方々が子どもたちの里親となって支援をしてくださっております。本当に感謝いたします。その里子の中から、ルーシー・デイジーちゃんの1日を紹介したいと思います。

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【写真:ルーシー・デイジーちゃん】

 シープケア学校1年生のルーシー・デイジーちゃんは7人家族。お父さんはボダボダと呼ばれる自転車タクシーの運転手。朝6時から夜8時まで一生懸命働いていますが、収入は不安定です。
 ルーシーちゃん一家が住んでいるのは、ケニア・ナイロビ市街地から15km東にあるソウェトと呼ばれるスラム地区の一角にある長屋です。地域のほとんどの家と同様、電気・水道の設備はありません。お母さんは、ジェリーカンと呼ばれるポリタンクを持って、毎日井戸水を買いに行きます。重たい水を持って何度も往復しなければならず、水運びは大変な重労働です。

 朝食は1杯の紅茶だけ

 ルーシーちゃんは、朝6時半に起きます。朝食はミルク紅茶1杯のみで、それも週に3回程度。たまにカップケーキがつくこともありますが、それは、お父さんの稼ぎがよかった日だけです。ミルク紅茶も飲めない日は、学校で10時のおかゆが出るまで何も口に入れることができません。そんな時はおなかが空いて、なかなか授業に集中できません。

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【食事は学校給食(JIFH支援)だけの日もあります】

 給食は午後1時からです。干ばつで食料価格が高騰し、以前の2~3倍という高値が続いている中、日本国際飢餓対策機構を通じて日本の皆さんから送られる支援のおかげで、シープケア学校では、何とか学校給食を続けることができています。兄弟が多く、最も生活が苦しい家庭の子どもたちは、学校給食が1日の唯一の食事という場合も珍しくありません。発育期の子どもたちのことを考えて、給食は栄養価の高い豆とメイズの煮ものや水曜日には主食のウガリと肉入りの煮ものがでる給食を、子どもたちはとても楽しみにしています。

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【写真左:シープケア学校で勉強をするルーシーちゃん/写真右:シープケア学校給食の様子】

 3時10分に学校が終わり家に帰ると、ルーシーちゃんは宿題をします。宿題が終わると、妹や近所の子どもたちと一緒に外で遊びます。かけっこをしたり、かくれんぼのような遊びをします。工業地域から流れてくる汚染水で黒く濁った川とゴミ山がすぐ近くにあり、健康上決してよい環境とは言えません。

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【写真左:家の前で遊ぶルーシーちゃん/写真右:家の近くにある野積みされたゴミの山】

 外から帰ると、タライに入れた井戸水でお母さんに体を洗ってもらいます。水は貴重なのでたくさんは使えません。また、浴室も長屋1軒(約10世帯・50人)にひとつだけですから、サッサと済ませなければなりません。

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【共同の浴室でお母さんに体を洗ってもらいます】

 1週間を乗り切るための食物?

 学校で給食が食べられる子どもたちを除いて、地域の人たちは、ほとんどが1日1食という生活を送っています。電気もガスもありませんから、灯油や木炭で調理するため、非常に時間が掛かります。夕食はたいてい主食のウガリ(※以下で補足説明有り)と、スワヒリ語で「スクマ・ウィキ」と呼ばれているケール(※以下で補足説明有り)の炒め物です。スクマ・ウィキというのは、「1週間を何とか乗り切る」という意味です。苦しい生活を送っている人たちは、肉を食べたいと思いながら、安価で栄養価の高いケールで何とかその日その日を乗り切っているのです。ルーシーちゃんの家では、お父さんの帰宅を待って、午後8時にみんなで夕飯を食べます。
 電気がありませんから、夜は、ハリケンランプと呼ばれる灯油ランプで灯りをとりますが、とても暗いです。また、煤が出るため、長時間使用すると目の障害を起こすこともあります。
 夕食後、テーブルや椅子を片づけて就寝の準備をします。お父さん、お母さん、赤ちゃんはベッドに、子どもたち3人は床にマットレスを敷いて寝ます。1日が終わり眠るのは、午後10時位です。

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【子どもたち3人はベッドの間で寝ています】

 兄を支える地域の人々

 ルーシーの5人兄弟の一番上のお兄さん、オッコは昨年末シープケア学校の8年生を終えて全国統一高校選抜入試を受け、成績優秀で全寮制の公立学校に入学を許可されました。しかし、全寮制の学校に入るためには、授業料に加えて、教科書や教材、制服、革靴、ベッド用シーツ、水汲み用のバケツ、石鹸などなど。たくさんのものを揃えて持って行かなくてはなりません。不安定なお父さんの稼ぎだけでは到底足りず、せっかくの入学をあきらめざるを得ないところでした。けれども学校の先生をはじめ地域の方々が、それぞれ1日1食がギリギリという厳しい生活の中から少しずつお金を出し合って、何とかお兄さんのオッコを送り出してくれました。
 出発の前日、オッコは教会で、「ここに戻ってきて、みんなの生活状況を変える力になれるよう、一生懸命勉強します。」と皆にお礼を述べました。そして翌日、付添の先生と共に長距離夜行バスで新しい学校に向かったのです。


 ≪里親さんからルーシーへ送られたお手紙≫

  元気にしていますか?
  私たち夫婦と7歳、3歳の子どもたちは、ルーシーの写真を部屋に飾って毎日見ているよ。
  そしてルーシーとルーシーの家族がいつも元気であるように祈っています。
  「今日はルーシーは何を食べたかな?病気になっていないかな...」とみんな話しています。
  もし悲しいことやつらいことがあったら、私たちにお手紙を書いて教えてね。
  一緒に泣いて、一緒に考えて、一緒にお祈りするからね。(兵庫県)

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【ルーシーちゃんの家族 ※自転車タクシーのお父さんは朝早くに仕事へでかけています】


チャイルド・サポーター(里親)によって子どもたちが安心して学校生活を送ることができます。
チャイルドサポーターのお申込みはコチラからできます。クレジットカードもご利用になれます。

※その他お問合せは大阪事務所 世界里親会まで(Tel.072-920-2225)


【補足説明】
※ウガリとは?
 ウガリは、コーンミールやキャッサバなどの穀物の粉を湯で練って作ります。アフリカ伝統の食品で、ケニアなど主にアフリカ東部や南部で主食として広く食べられています。地域によって硬さや弾力、呼び方が異なります。

※ケールとは?
 ケールは、地中海沿岸が原産でキャベツの原種に近く、温暖な気候であれば一年中栽培できて収穫量も多く、キャベツとは違い、結球しません。栄養に富み、ビタミンやミネラル類を多く含んでいます。

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