2012年12月26日

【ニジェール】希望を語る村のリーダー


 ニジェールはサハラ砂漠の南部に位置し、近年干ばつによる食糧不足に悩まされていることから、当機構からも緊急食糧支援が行われました。当機構はハンガーゼロ・アフリカの取り組みの一環として今年7月にニジェールを訪問。その際に元駐在員でオランダで留学中の河合朝子も現地で合流しました。この記事は彼女の現地報告が掲載された飢餓対策ニュース12月号の記事です。

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【ニジェールの村を訪問中の河合朝子(写真中央)】

 今回訪問させていただいた農村地帯では、主食のミレットという穀類の生産をして人々は暮らしていました。ミレットは雨期に育つので、雨が降らないと十分な収穫を得ることができません。干ばつの年には、市場での穀類の値段が高騰し、貧困層の家庭では男性が出稼ぎに出たり物乞いをしたりして収入を得ます。その間、村に残された女性や子どもたちは空腹に耐えなければなりません。

 痩せた土地でミレットの生産のみに頼った暮らしは、頻繁に訪れる干ばつなどの自然災害に対して抵抗力がないようです。訪れたどの村でも、自分たちではどうにもできないので、助けに来てほしいという態度がほとんどでした。

 希望を見つめるリーダー

 そんな中、ある村を訪れた時、「ここは素晴らしい農地です」という言葉を聞きました。この村には水不足という問題が他の村々と同様であったのですが、それでもその発言をされたリーダーは、積極的に農業に関する新しい情報を外から得て、村の人々とともに今の状態を改善していこうとしていました。いろいろな果樹を植え、さらに新しい井戸を掘ろうとしているということです。この井戸を利用することで、雨の降らない乾季でも農作物を作れるようになるのです。このリーダーは、村の農地に希望を見ているのだと思わされました。

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【希望を語る村のリーダー】

 さらに別の村の、あるお宅をお邪魔した時には、見たことのないたくさんの植物と健康な家畜が整然と管理されている光景を目にしました。家畜はどれも毛並みが良く太っていて、糞尿はきれいに掃除されていました。菜園はハーブや野菜が植えられ、その中央には木陰ができる大きな木が生えていました。そのお宅で話を伺ったのは、20年もの間難病に苦しむ夫を支えている奥さんです。この家の光景は、まるで奥さんの心の豊かさを表しているようでした。

 持てる資源をどう生かすか
 
 ミレットに加え、果樹や野菜など多種多様な作物を植えることで、年間を通した農作物の生産ができ、食や収入源の多様化につながります。さらに、生産活動で出た作物残渣(ざんさ)は有機物として土を肥やす役目も果たしてくれるでしょう。今回出会った二人の取り組みは、工夫次第で自然災害にも屈しない方法があることを示唆しています。
 それを可能にするのは、自分の持てる資源を利用してどうにかしようという積極的な態度で動き出す人たちで、そういう人たちが徐々に周りに影響を与え「どうにもできない」と思われそうな環境、地域を変えていくのだと思わされます。
 ハンガーゼロの活動は、この様な人たちを励まし、助けを待つのではなく地域全体が自立できるようにお手伝いさせていただくことです。

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