2012年09月18日

【フィリピン】被災期間の長期化、窮地に立たされる人々


 ハンズ・オブ・フィリピンのディレクターにして、当機構のフィリピン駐在員である酒井保から現地の活動状況を知らせるレポートが届きました。フィリピン洪水被害は収束しておりません。現地の厳しい現状をお伝えいたします。

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【8月31日 バターン ヘルモサ 市街地(写真左から3人目に酒井保)】

 去る、8月6日から7日にかけて、マニラ首都圏を含むフィリピンルソン島中部において、記録的な長雨と雨量による大規模な洪水が発生しました。台湾沖にある台風11号の影響で南西季節風が活発化したことが原因です。この洪水により、78人が亡くなり、11人が不明、36名が負傷しました。被災地域は、パンガシナン、プラカン、パンパンガ、バタアン、タルラック、サンパレス、カビテ、ラグナ、リーサル各9州73市町村に及びました。洪水の規模のわりに死傷者がすくなかったのは、台風に伴う大雨のような急な増水による洪水ではなかったために避難のための時間が比較的あったためと思われます。
しかしながら、被災者数はこれまでに440万人(90万世帯)に上り、一ヶ月以上が過ぎた今でも、多くの地域で水位が下がらず、社会福祉開発省(日本の厚生労働省に当たり緊急災害も担当する)の報告によると、8月末現在で約130万人の方々が一時避難(避難所431箇所)生活を余儀なくされています。

 JIFHの現地協力団体である、Hands of Love Philippines Foundation Inc.(以下HOLPFI)、Givers Funds Foundation(以下GFI)、FH・Philippines(以下FH/P)は、それぞれ、行政機関、地元キリスト教会と連携し被災者支援のための支援活動をおこなっています。しかしながら、台風や集中豪雨などを原因とした一過性の洪水と違い、南西モンスーンと呼ばれる季節的な降雨の時期であり、その後も雨は降り続きました。その結果、水位の低下が進まず被災期間が長期化し、現在も収束の見込みが立っていません。

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【写真:土砂で覆われた田んぼと決壊した堤防】

 GFIは、行政機関と連絡を取り、ラグナ湖周辺のMuntenlupa(モンテンルパ市)を中心に主に一時避難所、自宅避難民の方々のための食料配布を行い、FHフィリピンは、地元教会と連携して物資支援を行っています。
HOLPFIは、Bataan(バターン)州Hermosa(ヘルモサ)地区の方々の復興の支援を開始しました。この地域は増水により堤防が決壊、家屋等が流出、農地も土砂で覆われ自力での早期の復興が難しい状況にあります。

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【バラバラになった住居の場所を示す住民】

 浸水の長期化に伴い感染症の蔓延も予想され、フィリピン政府は警戒をつよめています。特に、危険な病気の名前はレプトスピラ症(Leptospirosis)で、レプトスピラ症は不衛生な水の経口あるいは皮膚の傷からの進入により感染する細菌感染症です。一般的にはネズミや家畜の尿に含まれる細菌が洪水による不衛生な水を介して体内に侵入することにより感染しますが、今回は洪水により感染の機会が増大しています。

 長期化する一時避難所暮らしの方々、在宅被災者、家屋の流出等の物理的な被災を受けた方々、生活の糧である農地を失った農民の方々等、被災者の置かれている立場は様々です。脆弱な生活基盤しかもたない方々にとって、洪水の長期化は死活問題です。
 被災者の数に対して私たちは微力ですが、一人でも多くの方が希望をもって生きていけるように支援を続けたいと願っています。ご支援よろしくお願いします。

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【9月12日 モンテンルパ市 配布前の打ち合わせの様子】
※この日、500世帯に約一週間分の食料、生活品(コメ、インスタントヌードル、缶詰、パン、洗濯石鹸、バケツ)を配布。

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