2011年05月05日

泥だしとLET IT BE


 東松島市東名周辺地区(とうな)で続けられている「泥だし」作業、この日(5月4日)にも約50名のボランティアが参加した。この地区では、4月はじめから二人の牧師がこの支援活動のコーディネートを続けており、当機構もTCU(東京キリスト教学園)の学生をはじめ多数のボランティアがここでの作業を継続している。

 「泥だし作業」は大工経験のある川口さんがリーダー役となって、一軒づつ必要な作業の段取りや素人には難しい床はがしを自宅の住人と相談しながら行う。その相談で住人の判断を悩ませているのはお金の問題。「床をはがせば大工費用がかかる、でも汚い泥もそのままにしたくない。みなさんできれば床をそのままにしたいのが本音ですが、少し床をめくれば泥が見えるからしかたなくっていう感じです」と川口さんは住人の心情を語る。大工の見積もりには泥だしは含まれないし、この時期にそれをする大工もないという。そんな状況下での床下まで腹ばいになって泥をかき出す若者たちのボランティアの応援が大きな助けとなっている。
 東名地区のIさん宅では連日の作業がこの日が最終日となった。そんな日の昼休み、ボランティアに温かい一品を用意してひとときの食事を囲んでくださるIさんの息子さんが突然、2階から自身のバンドで弾いているエレキギターを持ち出してビートルズの「Let it be」を歌い出す。「一緒にLet it beを歌って欲しい」という彼の唐突な申し出にびっくりするも、一同のテンションは一気にヒートアップ。ビートルズの大合唱となった。
 Let it be、ありのままに... この人はどのような思いの中、自慢のギターを手にしてこの歌を歌われたのかは誰も聞かなかったが、少なくともボランティアたちと一緒に喜びたいと彼は思ったのだろう。置かれた厳しい今の現実を受け入れることはあまりに重い、しかしその重荷をボランティアが分かち合うことができたならそれもまた嬉しい。
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