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人類を襲う食料危機
ハチが消える、食料が消える、人類が消える

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飢餓解決への新たな挑戦

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「吾唯足知」の生き方を

バックナンバー2008

NO.231

人類を襲う食料危機
ハチが消える、食料が消える、人類が消える

特命大使 神田英輔

先進国のリサイクルの陰で

先進国のリサイクルの陰で   パキスタン(2010年「地球家族」カレンダー3月より)
ペシャワール近郊にある鉄鋼所で働く作業員の労働環境は劣悪で、日当は約260円。失業率の高いこの国で、一日10時間、トイレもシャワーもない場所で、防護手袋も安全靴もなく、危険にさらされながら働いています。ヨーロッパ、南アフリカをはじめとする西洋諸国から集められた空き缶などの鉄くずがこのような鉄鋼所で溶かされ、建設用の鉄柱が作られていますが、品質管理基準はなく、その品質は高いとは言えません。

「もしハチが地球上から消えてしまうと、人類は4年たたないうちに滅びてしまう」。これはアインシュタインが言ったとされている有名な文章です。2006年の秋以来、米国では巣箱のミツバチが忽然と消える「蜂群崩壊症候群」(CCD)と呼ばれる不可解なことが発生し、ミツバチが壊滅状態になっていると報じられています。原因は特定されていないようですが、乱用されてきた農薬や携帯電話・電磁波の影響が大きいのではないかと言われています。

私が毎年訪問する北カリフォルニアでは、2月から3月にかけてアーモンド畑は花盛りです。受粉のために600億匹近いミツバチが動員されるそうです。米国ではアーモンドのみならず、100種以上、農作物の80%の商業的生産がミツバチの媒介に依存していると言われていますので、ミツバチが消えることは、田畑が不毛の地となることを意味します。

このハチが日本からも減っているのです。もともとハチミツ用として明治時代に海外から導入されたセイヨウミツバチですが、近年では養蜂業者が農家に貸し出し、ハウスでの授粉作業に利用されています。ハチの導入によって農家は省力化とコスト削減が可能になり、スイカやイチゴ、ナシ、トマトなど安価な野菜や果物を提供できるようになったのです。

2008年にIUCN(国際自然保護連合)がまとめた「レッドリスト」には、絶滅の恐れの高い8,462種の野生動物と、8,457種の植物がリストアップされています。生物の多様性という「資源」が提供してくれる恩恵は、私たちに食料を供給し、私たちの生活を支えてきているのですが、先進工業国の生活スタイルとなった「経済至上主義」からでてくる大量生産・大量消費・大量廃棄は、野生生物たちが生きていけない環境を作り出し、私たち人類の未来に暗い影を投げかけています。私たちの生き方が問われているのです。

「私たちは何一つこの世に持って来なかったし、また何一つ持って出ることもできません。
衣食があれば、それで満足すべきです」