NO.230
啓発総主事 田村治郎

日本国際飢餓対策機構が日本の方々と共に、世界の飢餓に苦闘する方々の支援を始めて28年が経ちました。大飢饉に直面した開発途上国での食糧援助で命を救った1980年代。大飢饉が姿を消した1990年代でも「慢性の飢餓」が蔓延していました。この原因について、1998年にノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・セン氏は「世界の飢餓は食糧不足によるのではなく、個人・家族に購買力がないことによる」ことを証明しました。日本国際飢餓対策機構は系列現地団体を通し、購買力を含めて現地の方々の総合的生活力が向上することを目指し「自立支援」に協力してきました。
「グローバル化」と言われる2000年からの10年、世界では人や情報、お金が瞬時に行き交うようになり、その功績と課題が、今も検証され続けています。中国語では「全球化」と書かれ、横のつながりというより、球のなかで全方向でつながるようになったことが強調されています。
日本国際飢餓対策機構が送り出してきた海外スタッフから近年聞かれる声は、国レベルで現地の方々の総合的実力が高くなっているという指摘です。現在も世界で10億人以上が「慢性の飢餓」に苦闘していますが、それぞれの国、民族の中に自分たちの問題を彼らの生活様式、文化に合わせた最善の方策を見出して解決しようと積極的に取り組む現地のリーダーの輪が少しずつ広がっているというのです。
「全球化」していく「地球家族」の飢餓の収束に向けて、私たちは新たなアプローチに挑戦していきたいと思います。現地で自らの創造力を生かして、主体的に活動する現地リーダー
の発掘。彼らによるこころとからだの飢餓を解決するユニークなアプローチの支援。是非、皆様もご協力ください。
「自分のことだけでなく、他の人のことも顧みなさい」