NO.225
特命大使 神田英輔

家族や地域を変革するために、女性たちが立ち上がりました。(バングラデシュ・ゴノクトリ地区)
関連プロジェクトはこちらから
自由主義経済の社会では「国際分業論」を信奉する人々が多くいます。各国が自国の得意な分野で生産に取り組み、その生産物をお互いが交換し合えば良いという考えです。この人々は、これを「食料」にまで拡大して考え、日本は自動車やテレビなどの開発・生産分野で最先端技術をもつ工業国になったので、輸出で稼いだ貿易黒字分で、外国が生産してくれた食料を買ってくれば良く、日本に農業は必要ないと主張してきたのです。
しかし昨年来の大不況は、日本が26年間享受し続けてきた貿易黒字を、赤字に転落させてしまいました。緊急事態です。たとえ今は農産物を日本に売ってくれている国であっても、日本との政治的関係がうまくいかなくなったらどうなるでしょう。友好的な関係であっても、異常気象のために余剰農産物が生産できなくなるケースもあります。そのときには私たちの命を支える農産物、食料が目の前から消えるのです。
しかも、食料生産を外国に委ねてしまうということは食品の安全性からみても問題です。農産物が「商品」として扱われる結果として、安全性よりも見栄えが優先され、日本では使用禁止になっている農薬さえも使用されることが起こりうるのです。
さらに、アフリカや東南アジアを中心に食料価格が高騰し、貧困層の人々の飢餓が深刻化している現状もあります。世界の飢餓人口は10億人。そのような中で日本だけが高いお金を払って世界中から食料を買い漁ることは道義的に許されないことでしょう。
食料自給率40%の日本の私たちは、はたして今までどおりの生き方を続けていけるでしょうか。私たちのこれからの行動が世界の飢餓で苦しむ方々のみならず、自らの未来をも左右することを心に留め、まずは食料を自前で確保する目標に一歩でも近づく努力が求められています。
「あなたたちはしっかりと目を開いていなさい」