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NO.221

「金融危機」に想う

特命大使 神田英輔

ミンドロ島サンアンドレアスの子どもたち。子どもたちは地域社会の未来。

ミンドロ島サンアンドレアスの子どもたち。子どもたちは地域社会の未来。

米国のサブプライムローン問題を発端にして広がった世界の金融危機は、多くの企業を破綻に追い込み、世界の株価を暴落させ、1930年代の世界規模恐慌の再来といわれる事態を招いています。

この金融危機に対応するために、日本・アメリカ・欧州の中央銀行が協調して一斉に利下げを行い、また各国政府が公的資金を投入しています。これまで基軸通貨として信頼されてきたアメリカ・ドルへの信頼が失墜の危機に立っているからです。ドルを買い支え、グローバル経済の牽引役の一端を担ってきたのが日本でした。

グローバル化した自由主義経済は、投機マネーが穀物市場に流れ込むことを促進しました。結果として、弱者を貧困や飢餓に追いやる容赦ないものであることが今年の食糧危機の場面でも明らかになりました。今の金融危機はこのような市場経済のあり方に警鐘を鳴らしているものと言えます。

お金は、皆がお金と信じている限りはお金ですが、ひとたび信用を失ったら、ただの紙切れになってしまいます。この地上では、どんなに巨大な富や権力であっても、いつか崩壊するときがやって来ます。また蓄えた富は、いずれ手元を去っていきます。この金融危機の只中で自分の富をどこに蓄えるべきなのか・・・価値観の転換が迫られているのではないでしょうか。

今年もクリスマスの季節がやってまいりました。与えられたものを自分のために蓄えることも必要でしょうが、天に宝を蓄えませんか。食糧危機のために一食すら確保し難くなっている人々など、「お返しのできない」人々が生きるために、分かち合ってはいかがでしょう。天の宝を増やすことは、将来への素晴らしい備えになることでしょう。

「あなたがたは地上に富を積んではならない。そこでは、虫が食ったり、さび付いたりするし、また、盗人が忍び込んで盗み出したりする。富は、天に積みなさい。
そこでは、虫が食うことも、さび付くこともなく、また、盗人が忍び込むことも盗み出すこともない。あなたの富のあるところに、あなたの心もあるのだ」