最新号

NO.237(2010.4)

真の豊かさを生きるために

バックナンバー

NO.236(2010.3)

第3の波の担い手として生きる
~2050年までの世界を見据えて~

NO.235(2010.2)

「終わり」そして「始まり」の転換期を迎えて

NO.234(2010.1)

喜び生きる人生のモデル

NO.233(2009.12)

わたしから始める、世界が変わる

NO.231(2009.10)

人類を襲う食料危機
ハチが消える、食料が消える、人類が消える

NO.230(2009.9)

何者にも支配されないもの

NO.229(2009.8)

飢餓解決への新たな挑戦

NO.228(2009.7)

「吾唯足知」の生き方を

バックナンバー2008

NO.219

「こころと体の飢餓」に応える新時代の取り組み
~現地パートナーとの協働~

海外プロジェクト担当総主事 柳沢美登里

過酷な歴史を越えて、共に伝統舞踊の練習に励む若者たち

過酷な歴史を越えて、共に伝統舞踊の練習に励む若者たち

今年、洞爺湖でG8サミットが開かれたが、これは工業先進国が世界の課題に対応することを目的とした会合である。しかし今年の中心課題のひとつ「世界の食糧危機への対応」では、G8のメンバーだけで根本的解決策を提示することは不可能と認め、最も打撃を受けたアフリカの首脳との会談が開かれた。これは地球規模の課題を解決するのに、これまで世界をリードしてきた工業先進国の知識や、その見方に基づく解決策が機能しなくなっていることを象徴的に告げている。グローバル化を推進してきた工業先進国は、新たな国家間の枠組みの受け入れを余儀なくされている。各国・各民族の多様性、独自性、主体性をこれまでとは比較にならないほど尊重し、耳を傾ける関係を築いて協力するという新時代に突入したのだ。

これは、飢餓・貧困国で「こころと体の飢餓」を解決することに長年、取り組んできた日本の私たちにとって、何を意味するのであろうか。

私たちは、貧困削減において、情報収集・分析・活動や会計報告書作成の能力などが圧倒的に秀で、国や地域レベルの経験・知識を豊富に持っていた、先輩である欧米各国の団体や専門家集団を信頼できるパートナーと見なしてきた。彼らの提示する体制は整然として好ましく見えた。けれども今、時代は大きく変わってきている。

活動報告書が魅力的に書けなくても、現地に暮らし続け、新たに出現する課題に次々と取り組むのは、結局、現地の人々なのだ。だとしたら、外側からの「整然とした貧困削減案」を提示する以上に、現地の人々がさらに効果的なリーダーシップと問題解決能力を持つことを目指す「現場の人々の育成」が何よりも最優先されるべきではないだろうか。

私たちは、もっともっと現地のパートナーの声を聞きたいと願う。そして「共に成長し生きる世界」に向かって、新たな枠組みの中での役割を果たしたいと思う。

「互いに人を自分よりすぐれた者と思いなさい」