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NewsLetter巻頭言

2017年07月01日

「和解と平和」というもう一つの実

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「昨日まで自分の無力さを感じて、毒を飲んで死んでしまおうと考えていました。しかし、今は違います。私には希望が見つかりました」

 これは2013年5月号の「飢餓対策ニュース」巻頭言の最初の言葉で、アフリカ・コンゴ民主共和国のルブンバシで出会った1人の国内避難民パメラさんが地元の教会で語った言葉です。

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 パメラさんたちが元々住んでいた村を、対立していた部族が急襲して40名以上の仲間やその家族が殺されました。130名ほどの村人が自分の村を捨てて逃げ、遠く離れた町に住み着きました。当然、地元住民とは水や食料の問題でトラブルが起きていました。しかし地元の教会が手を差し伸べて支援が始まります。パメラさんは参加したセミナーで一つの決断をします。それは離れ離れになっていた自分の家族を探し、新しい村作りをすることでした。一緒に逃げてきた仲間たちは反対をしましたが、彼の決断は固く、奪われた村の近くまで行き、そこで草むらに隠れるように生活していた自分の家族と村の子どもたちを見つけました。

それから彼は元の自分たちの村から10㎞ほど離れたプエトという町の郊外に土地を借り、新たな村作りを始めました。そしてわずか3年で驚くほどの変化が起こりました。今日食べる物もこと欠いていた人々が、自分たちで食べられるようになっただけではなく、周りの人々を励まして村作りを進めているのです。一番大きな変化は、周りの二つの村が彼らの村づくりの手法に共感して協力関係が始まり、50人以上いる子どもたちが学校に行けるようになったことです。

これからもどんな大きな実を結んでいくのか本当に楽しみであると同時に、その先に残された問題を思います。それは、自分たちの家族のいのちと土地を奪っていった略奪者たちとの『償いと赦し』という大きな大きな問題です。かつてルワンダで起こった大量殺戮後、10数年かかって2度と大きな過ちが起きないように「罪の告白と赦し」が行われてきました。そのことがコンゴのプエトでどう行われていくかです。言葉では簡単ですが、それは途方もないエネルギーを要することです。

 パメラさんは毎週金曜日にプエトの路傍に立って、民衆に語りかけ続けているそうです。「私は生まれ変わった」と。やがてこの人々の間に真の和解と平和がもたらされるように祈っています。

「あなたは正義の種を蒔き、誠実の実を刈り入れよ」(聖書)

日本国際飢餓対策機構 常務理事 清家弘久
(7月号巻頭言No.324)

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