ハンガーゼロ アフリカ」とは

田村 治郎

2017年06月13日

私たちの長男の1才の誕生日を一緒に祝ってほしい

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 3年前、訪問したフィリピン・ミンドロ島の村でのこと。私たちを港から村まで送り届けてくれたジープニーのドライバー、彼の息子のバースデーパーティに招いていただきました。

 自宅には村人全員が集っていると思えるほどの人ごみの向こうに、主人公の息子の似顔絵が掲げてありました。庭に設けられたパーティテーブルには、この村では滅多に口にできない肉料理を中心とした豪華な料理がずらりと並び人々に振る舞われており、もちろん私たちもご相伴に預かりました。しかし、家によってはこの豪華な振る舞いを借金までして行う方もいることを聴き、そこまでせずとももう少し質素なお祝いができそうなものとの疑問もわいてきます。けれどもさらにお話を伺ってゆくと、実はこの豪華なバースデーパーティーには誕生日を迎えた子どもに対する親御さんのなみなみならぬ思いが込められていることを知りました。

 「1才まで生きることができたら、5才まで生きる確率が上がる。」

 私たちも子どもの誕生日は家族挙げて祝います。子どもの成長は親にとってかけがえのない喜びです。しかし、その意味合いが私たちとこの貧しい村の人々では相当違うことが分かりました。フィリピンのIMR(乳幼児死亡率2013年報告)は1000人中20人(日本は1000人に2人)。せっかく生まれてきても栄養失調などで命を落としてしまう。この数字はフィリピン全体の平均ですから、貧困に喘ぐ地方の村ではこの数字よりも多いことでしょう。生後1年、無事にこの子が生き抜いたことがさらにその先の命へと繋がってゆく。その喜びと感謝がこの豪華な振る舞いに現されているのです。喜びの輪の中に置かせていただいた私たちはしばらく御馳走を食べる手を止めて、生きることの重さと尊さ、生きられることの感謝を考えさせられました。 

 今年2017年の世界食料デーのテーマは、「わたしから始める世界が変わる・・・考えてみよう、共に生きること」飢餓と貧困に喘ぐ人々の多くは、物質的な欠乏ばかりでなく、人間としての尊厳をも同時に奪われています。人間として生まれてきたにもかかわらず、まるでそれを否定されるような環境や、極度の貧困の中で様々な搾取の対象として虐げの中に突き落とされています。支援活動がチャリティで終わらないためには、そのような方々が生き続けるだけでなく、いかに人間としての尊厳を回復していくかが、今日的課題となっています。

 日本国際飢餓対策機構は、「善隣共生」という理念を大切にしています。私たち一人ひとりが善き隣人となって人々と共に生きていくことを表しています。現地でのパートナー団体との密接な働きの焦点は、そのコミュニティに生きる人々がいかなる環境や状況の中にも絶望する事なく、すでに与えられている潜在的な資源を見出す目が養われ、それを認め活用する人々によって変革が促される働きです。そのためにもそこに生きる子どもたちのいのちを健康を守り、教育の機会は不可欠のものです。与えられた潜在的資源を賢く活用し、次の世代に継続される持続的な働きに重要な要素となってゆきます。

 今年もこの働きを応援してください。そしてご一緒に飢餓と貧困と闘う人々と「共に生きるということ」を考え、手を差し伸べてください。今年も東北から沖縄の23会場でこの願いを実現しようと志を同じくする有志の方々と共に協力し世界食料デーが開催されます。参加され、世界の飢餓と貧困の状況を、またそこに生きる人々の姿を知っていただいて、未来へと生きぬく希望に繋がってゆきましょう。

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