ハンガーゼロ アフリカ」とは

NewsLetter巻頭言

2016年10月01日

「世界でいちばん遠い距離」

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  「冷蔵庫の食べ物をよく見たら賞味期限切れで、もったいないと思ったけど捨てちゃった...」そんな経験は誰にでもあるはずです。日本の食べ残しは年間1700万トンにのぼる一方、世界の飢餓地域に届けられる食料支援はすべて合わせても年間400万トンほどです。(農林水産省・食品ロス資料2013)単純計算なら、日本人の食べ残しをすべて支援に回せば、今日にでも全世界の飢えている人々をすべて救うことができるのです!問題はなぜそれができないかです。

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【写真:「この土地を開拓していきたい」と夢を語るパメラさん】

 私はよく小学校で世界の飢餓について話す機会がありますが、その時必ず「世界でいちばん遠い距離を克服して下さい」と話します。小学生には少し難しい言葉かもしれません。皆、きょとんとしています。「世界でいちばん遠い距離...?北極から南極かな、アフリカの方が遠いかな、世界一周、いや宇宙のことかな...?」そんな質問が生徒たちの頭をぐるぐる回っているのが見えるようです。

 実は「世界でいちばん遠い距離」とは、私やあなたの頭から手の先までのわずか1m足らずの距離のことです。なぜそれが世界でいちばん遠い距離かというと答は簡単です。私たちは往々にして、頭で聞いて「それはいい話だ!」と思ってもすぐ忘れてしまいます。また仮にその話をよく聞いて、心に忘れなかったとしても、何のアクション(手)も起こさなければどうでしょうか。結果は何も変わりません。「世界でいちばん遠い距離」の克服...それは聞いたことを心に受け止め、行動に移すことを指しているのです。

 アフリカのコンゴにある小さな町プエトに住むパメラさん(写真㊤)は、この「世界でいちばん遠い距離」の話を3年前、コンゴで初めて行われたVOC(地域変革ビジョン)セミナーで聞きました。そして彼は実行したのです。

 国内紛争で別れ別れになった家族を捜し出し、仲間たちを説得し故郷に近いプエトで共同農場を始めました。そんな夢のような話を最初は誰も信じなかったそうですが、今やトウモロコシをはじめ様々な野菜が収穫され、養豚事業も始まりました。パメラさんの小さな決心が、家族、仲間たち、地域社会に至るまで大きな影響を与えたのです。

 さて、毎年10月16日は国連が定めた「世界食料デー」です。世界の飢餓を止めるため、あなたにできる「世界でいちばん遠い距離」の克服は何でしょう?

日本国際飢餓対策機構 特命大使 近藤高史
(10月号巻頭言No.315)

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