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NewsLetter巻頭言

2016年05月01日

いのちのパン

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「わずか数十秒の地震でこれほど人生が、町が変わってしまうのかと、今は心の整理がついていない...」
 2016年4月14日夜と16日未明に熊本地方を襲った震度7の地震を体験した方から、直接聞いた言葉です。

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【写真:熊本・益城町でパンの缶詰を届ける吉田スタッフ】

 日本は世界で一番安全で安心して暮らせる国だと思っていた私たちに、その「安全・安心」が実はもろいものであることを、今回の地震は再び教えてくれました。今この時も、まだ避難所や車内泊での生活を余儀なくされている方々を思うと胸が痛みます。大切なご家族や住む家を失われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

 日本国際飢餓対策機構は、5年前の東日本大震災を教訓に、4月16日早朝には被災地へ調査チームを派遣しました。いえ調査だけではなく、少しでも手元にある物資を届けたくて熊本に急いだのです。以下は車を10時間運転し被災地に辿り着いたスタッフたちが、到着直後に避難所を訪ねた時の様子です。

 16日午後9時、熊本市出水南の避難所で初めての物資配布。「2日間ろくに食べていません」と話す若い男性。「今日は饅頭1個だけ」とおばあさん。「お腹がすき過ぎて痛い、きもち悪い」と小学生...。

 役所の職員が涙ながらに「この2日間物資配布ができなくて、本当に申し訳ありません。集まった物資も全員に行き渡るほどないのが現状です。少しでも平等に行き渡るため、届いている物資の種類と数を言いますので、自分が欲しい物の前に並んで下さい。足りない場合は抽選とします。... 皆さん、力を合わせて生き残りましょう!」と訴えると、その言葉に涙を流す方々もいました。饅頭、団子、水ボトル、コーンフレークそして私たちが持参したパンの缶詰も配布されました。

「今朝大阪から積んで来ました。皆さんの人数分だけ揃えることができず申し訳ありません。しかしこの缶詰は、1缶で2食分に匹敵する甘くて大きいふわふわのパンが入っています。ぜひ皆さんで分け合って食べて下さい」そう話すと、パンを手にしたおばあさんが「今日はまだ何も食べておらんかったけん、本当にうれしい。大阪から持って来てくれて本当にありがとう」と言い、目に涙を浮かべておられました...(吉田スタッフ談)

 一切れのパンは食べればなくなります。しかしその味を一生忘れることのないパンもあります。私たちが届けたいのは、真に人々を立ち上がらせる、そうした「いのちのパン」なのです。

「私はいのちのパンです」(聖書)

日本国際飢餓対策機構 特命大使 近藤高史
(5月号巻頭言No.310)

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