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NewsLetter巻頭言

2016年01月01日

無関心から善隣共生へ

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 新年おめでとうございます。昨年も皆様の尊いご支援をいただいて、私どもは世界の貧困と飢餓、そして災害によって苦しんでいる人々に皆様の愛をお届けすることができました。心から感謝いたします。

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【写真:地震被害を受け避難所生活を続けているネパールの子どもたち】

 「安」という漢字が昨年の世相を表す字として選ばれましたが、平安の安というよりも、不安の安ではないかと思わされます。世界的にも不安が人々の心を支配するようになっています。紛争、政治、経済的な不安。自然災害に対する不安。これらのことはやがては個人的な不安になって、人々の生活に大きな影響を与えるようにもなるでしょう。そしてその影響は自分の周り、すなわち自分の隣のことに対してどう応答するのかに表れてくるものです。隣人不信に陥り、誰も信じられなくなり、そして生まれてくるものは、「無関心」です。

 ノーベル平和賞を受賞した米国のユダヤ人作家のエリ・ヴィーゼル氏が語った言葉ですが、後にマザー・テレサのものとして有名になった言葉があります。「今日、我々は知っている。愛の反対は憎しみではない。無関心である。信頼の反対は傲慢ではない。無関心である。文化の反対は無知ではない。無関心である。芸術の反対は醜さではない。無関心である。平和の反対は、平和と戦争に対する無関心である。(後略)」(小貫大輔著『耳をすまして聞いてごらん』より)

 電車やバスに乗っても、携帯電話、スマートフォンに全神経を集中し、隣に誰がいようが構わない。事故があれば自分が被った迷惑を嘆くばかりで、その人の安否を気遣うこともない。ましてや世界のどこかで明日の食べ物さえなく、愛する子が弱って母の細い腕の中で死んでいく現実が今起こっていても、よその国のことなので関心がない。直接自分のせいではないから?自分の力ではどうしようもないから?だから、考えないようにする。無関心ほど恐ろしいものはないと思います。

 しかし、それを変える小さな一歩を踏み出すこともできるはずです。まず関心を持つことからです。この人はどうだろう?あの人のために自分は何ができるだろう?少し目を開き、耳を傾け、その手を開くことからです。その時、確実にあなたの周りは変わっていくことでしょう。あなたから、隣の人に。その隣の人からまた隣の人に。そして善き隣人となって共に生きる社会がそこから始まっていくのです。小さな一歩です。しかし確かな一歩です。

 2016年、まずはその一歩を一緒に踏み出していきましょう。

日本国際飢餓対策機構 理事長 岩橋竜介
(1月号巻頭言No.306)

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