ハンガーゼロ アフリカ」とは

【愛知事務所】

2011年06月02日

ト モ ダ チ

スタッフ:【愛知事務所】のブログを見る

私の携帯電話の裏に小さな星のシールが貼ってあります。
その星を見る度に、私は東松島に住んでいる小さな友達を想い、ちょっとだけ切なくなって、
そしてちょっとだけ温かい気持ちになります。


その日は震災が起こってからちょうど一ヶ月目の、4月11日でした。
私は東松島のある避難所を訪れていました。
その避難所にはたくさんの子どもがいました。
私は子どもたちと一緒に、物資仕分けのお手伝いをさせてもらいました。
服のサイズを分けるために、みんなで大きなブルーシートを敷こうとしたその時・・・


「わーー!津波が来るぞーー。逃っげろーー!」 

と、子どもたちがキャーキャー言いながら楽しそうにじゃれ合い始めたのです。


今まで避難所の大人の方にも何となく津波の話しはできなくて、
何となく震災の話題を避けて取り留めもない話しをしていたのに、
子どもたちが無情にも私たちが触れられなかった壁をあっけなく突き破ってしまった、
そんな感じがしました。


一瞬、大人の方たちの顔が強張ったのが分かりました。
でもすぐにいつものように笑って、


「みんな逃げろーー!
このシートから降りないと津波に飲み込まれるぞぉーー!」

と子どもを追いかけて、何事もなかったように一緒にじゃれ合い始めました。


私はこの時東北の方々の心の強さと、
また子どもに対する大きな愛を見た気がしました。

 どこにいても何をしていても子どもの心は素直です。
大人と同じように子どもの心を占めているのも、やっぱり津波なのだと思いました。

 

 

一緒に遊んだ子どもたちの中に、長い黒髪のみつあみが似合う「ちあきちゃん」という一人の女の子がいました。
「この子はPTSDの疑いがあるから遊び相手をするのが大変かもしれない。
でも、できるだけ愛情を持って接して欲しい。」
そう避難所のリーダーの方に言われました。


4月11日午後2時46分。

ちあきちゃんと一緒に絵本を読んでいた時。
震災一ヶ月後を告げるサイレンが鳴りました。

ちあきちゃんの顔色が急に変わり、

 「また地震が来るの?また津波が来るの?」

 と恐怖に怯えた顔で、
私にしがみつきながら大泣きし始めました。

目には見えないけど、この子が抱えている心の傷の深さは半端じゃないと思いました。

後でリーダーの方から、ちあきちゃんはおばあちゃんが津波に流されていくところを、
その目で実際に見たのだと聞かされました。


 

帰り際にちあきちゃんが小さなプレゼントをくれました。

 「お姉ちゃん、お友達のしるしだよ。」

そう言ってキラキラ光る星のシールをくれました。

「お姉ちゃん、また明日も来るよね?」

「そうだね、また来るよ。」

と言ってちゃんとサヨナラも言わずに避難所を後にしました。
もうちあきちゃんと会うことはないかもしれないと思ったけど、
これ以上涙を流させたくはなくて、
小さなウソをついて出てきました。


ちあきちゃん今日は泣いてないかな。
避難所の方々は元気にしてるかな。
寒くないかな。
雨に濡れていないかな。


小さな友達がくれたその小さな星は、
まるで愛知と宮城を結ぶ魔法のシールのように
見る度に東北の事を思い出します。


こうやって私たちが普通の暮らしをしている間にも、
避難所で痛みを抱えながら生活している方々がいます。
いろんな事を犠牲にして働いているボランティアさんがいます。


今日も携帯の裏の小さな★が、大きな祈る力を与えてくれます。

活動ブログ スタッフ一覧

月別表示