世界里親会

オドー・メンチェイ州アンロン・ベン郡

北部オドー・メンチェイ州アンロン・ベン郡は、元クメール・ルージュ兵士とその家族、その後に移住してきた開拓民が混在する新しいコミュニティです。そこに生きるこどもたちを支援しています。

世界里親会の詳細

世界里親会

「世界里親会」とは経済的理由などから学校に行くことのできないこどもたちのために、家族やコミュニティを巻き込みながら、教育、健康診断、将来の自立を助ける職業訓練など、その全人的な成長を助ける活動を行っています。

地域開発プログラム

オドー・メンチェイ州アンロン・ベン郡

アンロン・ベン郡は約10年前まで、クメール・ルージュと呼ばれるゲリラ組織の統治下にあったため、開発が遅れ、国内で最も貧しい地域の一つです。その9ヶ村において、住民が主体となって地域の課題を解決し、村全体が包括的に変革していくことを目指しています。村のボランティアが中心となって農業や保健衛生に関しての学びを住民に伝えていく、また住民たちによる貯蓄活動など、自らが計画し、取り組み、学んでいく、その変革のプロセスを応援しています。

プロジェクト概要

    タイ国境に接するオドー・メンチェイ州アンロン・ベン郡は、1998年までクメール・ルージュと呼ばれるゲリラの支配下にありました。アンロン・ベン郡に住む人々は、元クメール・ルージュ兵士やその家族が多く、内戦のために負傷した男性や、地雷のため手足を失った人々を他の州より頻繁に見かけます。

    また、この地域の復興は、他の地域より大幅に遅れた1998年(ポル・ポトが死去し、クメール・ルージュが解体した年)から始まったこともあり、カンボジアの中でも、最も貧しい州の一つとされています。

    活動地であるアンロン・ベン郡に住む人々の多くは自分たちで主食である米を作り、食べていますが、2007年の調査によると、この地域は、平均して1年間家族が食べていけるだけの米を生産できず、約5ヶ月分の米が足りない状況にあります。

    また、1歳未満の1,000人あたりの乳児死亡率は、カンボジア全体の70人と比べ、106人と極めて高くなっています。その他にも地域の大きな課題として、7,000世帯が住むアンロン・ベン郡には、その23%が母子家庭という現状があります。

    プロジェクト概要

    プロジェクトでは、地域の母親たちや農民たちがボランティアとなって、こどもたちの将来のために、農業や保健衛生教育について学びます。学んだ事柄について、ボランティア自身によって村の目標が設定され、ボランティアは、近隣の家々を訪問し、自分たちが習った事を人々に伝えていきます。

    グループの定期ミーティングの様子
    トレーニングでは、グループディスカッションが多く取り入れられています

    また、村において、15~20世帯で構成されるコミュニティ相互支援グループを組織し、その相互支援グループを単位として、貯蓄活動を行います。目的や将来のために貯蓄していく習慣がないカンボジアにおいて、貯蓄活動のために、計画立案から、資金管理についてなどを訓練していきます。グループ内の貸し付けによって生じた利子は、ある程度たまった段階で、こどもたちの将来を支える活動に用いられていきます。この活動の内容は、村人たちによって決定、実施されていきます。

    この地域開発プログラムの大きな特徴は、リーダー、隣人や友人同士が共に学び、考え、発見していく事を通して、支えあいながら共に成長していくところにあります。同じ立場にある村人たちが成長していく姿の一つ一つが、他の村人たちへの大きなインパクトとなっていきます。リーダーたちが確信に基づいて地域の将来を担っていくことができるよう、また、村人たちがビジョンを持って地域の課題に取り組み、人々の生活と地域全体が向上していくことを目指しています。

2008年活動報告
    2008年活動報告
    会計係の女性
    リーダーたちと何回も会議を持ち、信頼関係を築きました

    2007年9月~12月は、活動のほとんどが村人との関係作りでしたが、いよいよ2008年に入り、具体的に様々なことが動き始めました。

     

     

    1)村開発委員とボランティアの選出

    2008年上旬には、今後活動を主体的に担っていく村開発委員とボランティアの選出が、村人たちの投票によって行われました。

    グループの定期ミーティングの様子
    村ごとに、村開発委員の選挙が行われました

    この時選出された村開発委員とボランティアを対象に、指導者トレーニングが開かれ、計92名が参加しました。

    2)初期調査と各村の計画
    ランプシェード作りに励む女性
    村の家々を訪問し、初期調査を行いました

    8ヶ村において、220世帯を対象に初期調査が実施されました。「保健衛生」「食糧確保」「社会・リーダーシップ」「教育」の分野において調査されました。

    この結果を元に、村開発委員とボランティアを対象に、村計画会議がもたれました。
    この会議の中では、初期調査の結果が発表され、その結果を元にリーダーたちが村の課題を把握、分析し、その課題を解決していくための計画が彼ら自身の手で立案されました。計画の中には村の必要のために、止水壁の建設や学校校舎の増設などが組み込まれました。

    3)農業・保健衛生指導
    会計係の女性
    村開発委員は定期的に集まり、
    報告や課題を分かち合います

    村人への農業指導や保健衛生教育も始まっています。ボランティアたちは、講習会に出席し、そこで学んだ事を近所の家庭にも分かち合っています。

    ボランティアは、このような家庭訪問を継続して行ない、村人たちが学んだことを生活の中に取り入れていくようにチャレンジし、励ましていきます。2008年には、有機肥料や天然殺虫剤の講習会などが農業分野では行われ、また、保健衛生分野に関しては、マラリヤとデング熱についての講習会などが実施されました。

    4)貯蓄活動

    グループ貯蓄活動も始められました。貯蓄をする習慣がなく、内戦によって信頼関係が壊されてしまったカンボジアの村でグループ貯蓄活動を広めていくために、まずはリーダーたちを中心として、貯蓄活動が始められました。2008年には、8ヶ村にて、9つの貯蓄グループが組織されました。あるグループは、3ヶ月間で約3,700円を貯める事ができました。そのグループは2009年末には、その貯蓄活動で得た利子を使って、こどもたちのための学用品と自転車を買うことを計画しています。

学校給食支援

プノンペン

貧困のゆえに小学校を中退したこどもたちが、公立校へスムーズに復帰できるように、現地NGO「ハガル」が短期集中補習校「コミュニティ学習センター」を運営しています。当機構は、生徒たちの栄養改善と勉強への意欲向上のために、このセンターで学ぶ生徒など257名分の豆乳給食を支援しています。